マイケル・ダンロップスーパーツインTTレースで優勝、自身通算33勝目を挙げた。ダンロップはMDレーシング・パトンで終始首位を譲らず、デイビー・トッド(ミレンコ・バイ・パジェッツ・モーターサイクルズ・パトン)に26.775秒差をつけて優勝。ドミニク・ハーバートソン(メルブレイ・レーシング・パトン)が3位に入り、ダンロップはファイナルラップで123.056mphという新ラップレコードも樹立した。

夕陽の差す午後6時、予定通り3周でスタートしたレース。ダンロップはグレン・ヘレンでトッドに3秒差をつけてリード。アダム・マクリーン(フリトウィック・モーターサイクルズ/SMVヤマハ)が好調な走りで3番手につけた。ロブ・ホドソン(SMTレーシング・パトン)は4番手にポジションを上げ、以下ハーバートソン、マイク・ブラウン(KMR/ジャック・リード・カーズ・カワサキ)が続いた。一方、前レース2位のマイケル・エヴァンス(ダファベット・レーシング・カワサキ)はグレン・ヘレンでリタイアを余儀なくされた。
バラフ通過時には、ダンロップがさらに2秒差を広げた。ブラウンはマクリーンをかわして4番手に浮上したが、ホドソンとハーバートソンが両者を追い越し、3位から6位までの差はわずか5秒という接戦となった。ラムジーではダンロップが9秒差にリードを拡大。ホドソンはトッドとの差を0.2秒にまで詰め、ブラウンはハーバートソンを抜いて4番手に浮上。4番手から6番手までは1秒差という混戦が続いた。

ダンロップは各タイミングポイントでさらに差を広げ、オープニングラップは121.664mphを記録。12秒差でトッド(120.361mph)をリードしたまま義務付けピットストップへ。ホドソン(119.684mph)はトッドから6.3秒遅れだったが、3位から6位の差はわずか2.5秒。ブラウン(119.642mph)、ハーバートソン(119.503mph)、マクリーン(119.436mph)が僅差で追走した。
ポール・ジョーダン(ジャクソン・レーシング powered by Prosper2 アプリリア)、バリー・ファーバー(DCモーターサイクルズ・ニュートンタウン・ヤマハ)、マイケル・ラター(バザムスAJNレーシング・ヤマハ)、ジョー・ヤーズリー(スコット・レーシング・アプリリア)が1周目終了時点でトップ10入り。
ピットストップでダンロップはトッドに6秒詰められたが、グレン・ヘレンまでの約9マイルで差を9.5秒まで回復。ホドソンは2周目のスタートも好調で、4番手との差を4.4秒に広げた。ただし4位から6位までは依然として接戦で、順番はハーバートソン、マクリーン、ブラウンの順に変動していた。
グレン・ヘレンからバラフまで自己ベストセクタータイムを記録したダンロップは、トッドとの差を12.1秒に拡大。ラムジー・ヘアピンでは14.6秒差まで広げ、ホドソンは3位を固めつつあった。ハーバートソンは4位をキープしたが、ブラウンがマクリーンをかわして5位浮上。しかしホドソンはグースネック通過後にリタイア、2度目の表彰台獲得はならなかった。
ファイナルラップ突入時点でダンロップは14.5秒差の独走。トッドも2位を堅持し、3位に浮上したハーバートソンとの差は17.4秒。ハーバートソンはブラウンとの差がわずか3.8秒、さらに1.6秒後方にはマクリーンがつけ、5位争いは最後まで予断を許さなかった。
ダンロップはグランドスタンドからグレン・ヘレン区間でさらに新セクタータイムを記録。ハーバートソンもファイナルラップ序盤でブラウンとの差を6.5秒まで広げた。4位から7位までは依然大接戦で、ブラウン、マクリーン、ジョーダン、ファーバーの差はわずか3.9秒だった。
ダンロップはラップレコードペースで周回。ジョーダンもその後方につけてスピードを上げ、順位を押し上げた。最終ラップで123.056mphを叩き出し、新ラップレコードを更新。通算33勝目を26.775秒差で快勝した。
表彰台争いはゴールラインまで縺れたが、ジョーダンの猛追も及ばず。ハーバートソン(121.370mph)が3秒差で2度目のTT表彰台を獲得。ジョーダン(121.899mph)は惜しくも4位、ブラウン(120.791mph)、マクリーン(120.397mph)が続き、ファーバー(120.347mph)は初の120mph超えラップを記録して7位フィニッシュ。ヤーズリー、ミハル・ドコウピル(インディ・レーシング・アプリリア)、マイケル・スウィーニー(MSRレーシング・アプリリア)がトップ10入りを果たした。