ディーン・ハリソン 自己最速ラップで2019年以来の勝利

マン島TTレースのRL360スーパーストックTTにて、ディーン・ハリソン(ホンダ・レーシングUK)が圧巻の走りで優勝を飾った。ディビッド・トッド(モンスターエナジー by 8TENレーシングBMW)との接戦を制し、最終的に11.6秒差をつけてチェッカー。自己ベストとなる時速135.692mphの驚異的なラップを記録し、2019年のシニアTT以来となるTT勝利を挙げた。

スタートから拮抗した展開

本来午前10時45分に予定されていたレースは天候の影響で時間が変更され3周から2周に短縮された。序盤はトッドがリードを奪い、1周目のグレン・ヘレンではハリソンとの差はわずか0.2秒。ジェームズ・ヒリアー(Muc-Offレーシングホンダ)が5.3秒遅れで3番手、ネイサン・ハリソン(H\&Hモーターサイクルズホンダ)がさらに1.2秒差で続いた。

マイケル・ダンロップ(MDレーシングBMW)は序盤5番手だったが、ボーラウで3位に浮上。一方、ヒリアーとネイサン・ハリソンはそれぞれ1つずつ順位を下げ、6番手にはドミニク・ハーバートソン(HRRC/アダム・ヒューイットLtdホンダ)が浮上した。

ラムジーヘアピンを通過した時点でトッドのリードは2秒に拡大したが、ハリソンもすかさず巻き返しを開始。ダンロップはトップから13.3秒差の3位、ヒリアーとネイサン・ハリソンは4位と5位をキープした。

ハリソン、怒涛のラストスパートで逆転

トッドはクレグ・ナ・バーでダンロップをコース上でパスし、1周目を133.712mphで走破して首位をキープ。しかし、ハリソンは下りのマウンテンセクションで差を縮め、0.4秒差に迫った(ラップスピード:133.658mph)。ダンロップは131.061mphで3位にとどまった。

2周目に入り、グレン・ヘレンでハリソンがついに2.3秒差で首位に立つ。トッドはトラフィックに巻き込まれた影響もありペースが落ち、バラウ橋通過時点でその差はさらに拡大。ラムジーヘアピンでは5秒差、バンガローではほぼ倍の差にまで広がった。

ハリソンは2周目に135.692mphという自己最高ラップを記録し、他を圧倒してフィニッシュラインを駆け抜けた。これは彼にとってスーパーストッククラス初勝利であり、ホンダにとっては2014年以来のクラス制覇となった。

表彰台と上位勢の結果

トッド(134.077mph)、ダンロップ(134.081mph)が2位・3位で続き、ダンロップは通算47回目のTT表彰台獲得でジョン・マクギネスの記録に並んだ。

以下、4位はヒリアー(131.937mph)、5位ハッチンソン(131.606mph)、6位カミンズ(131.486mph)、7位ネイサン・ハリソン(130.840mph)、8位ハーバートソン(131.182mph)、9位ジョシュ・ブルックス(130.760mph)、10位ジェームズ・ヒンド(132.152mph)と続いた。マイケル・エヴァンスも130.094mphで自身初の130mph超えを達成し、11位で完走した。