6月7日(土)19時に予定されていた2025年マン島TTレース最終戦、ミルウォーキー・シニアTTは、走行に適さないコンディションのため中止が決定された。この日、午前中からの雨と濡れた路面の影響でレースは開始が遅延。日中の天候回復を受けて、TT最後のレースである伝統のミルウォーキー・シニアTTは19時開始予定となっていた。

ソロクラスのライダーたちは18時にコースインスペクションラップを実施。その時点ではコース全体の天候は徐々に回復傾向にあったものの、走行後に複数のライダーがコースコンディションに懸念を示した。その後、複数ライダーとの協議を経て、競技責任者のゲイリー・トンプソンは、通常とは逆方向から吹きつける強風の影響でレース実施は不適切と判断。中止を正式に発表した。

ゲイリー・トンプソンBEM MBE競技責任者

「コースインスペクションラップ後、各クラスの多くのライダーと意見交換を行いましたが、全員が求めるコンディションには達していないことが明確でした。一部のライダーは状況に合わせて走行しても良いという意見でしたが、大多数は風の強さと突風の方向が、ここ2週間のTT期間中に経験してきたものとは全く異なるため、非常に予測が難しく、安全にレースが成立しないと判断しました。」

「予選やレースの遅延、中止を決断するのは常に難しい判断です。特にシニアTTのような格式と注目度の高いレースではその思いはなおさらです。しかし、最も重要なのはイベントを安全な形で開催することに尽きます。残念ながら、今夜それは不可能と判断しました。最後に、この困難な状況の中、マーシャル、医療スタッフ、運営関係者、ボランティア、そしてライダーの皆さんの忍耐と協力に心から感謝します。」