マン島TTレースのメッツラー・スーパーツインTTにおいて、マイケル・ダンロップ(MDレーシング・パトン)が通算31勝目を挙げ、史上最多勝利ライダーとしてその名を刻んだ。同時に、表彰台回数も通算48回となり、かつてのチームメイトであるジョン・マクギネスMBEの記録(47回)を抜いて単独最多記録を更新した。

ダンロップ 圧巻の記録更新ラップで独走
天候不順によりレースはスタート時間が変更され、当初の3周から2周に短縮。ポール・ジョーダン(ジャクソン・レーシング/アプリリア)が1番手スタートを切ったが、グレン・ヘレンで先頭に立ったのはダンロップだった。
初周からペースを上げたダンロップは、マイケル・エヴァンス(ダファベット・レーシング・カワサキ)に対し2.2秒のリードを築く。マイク・ブラウン(KMR/ジャック・リード・カーズ・カワサキ)がさらに0.6秒遅れで3位につけていたが、カーク・マイケルのダグラスロード・コーナーでリタイア。
バラウ橋を通過する頃には、ダンロップのリードは5.9秒に拡大し、さらにラムジーでは9.3秒差と優位を広げた。エヴァンスとトッド(ミレンコ by パジェッツ・パトン)が2位・3位を争い、ロブ・ホドソン(SMTレーシング・パトン)が4位で続いた。

エヴァンスとホドソン、TT初表彰台
マウンテンの上りでダンロップはエヴァンスをオーバーテイクし、1周目終了時点で122.006mphのラップスピードを記録。2位エヴァンスは120.837mph、3位トッド(119.836mph)、4位ホドソン(119.686mph)と続き、上位争いは依然激しい展開となった。
2周目、ダンロップはグレン・ヘレンで13.6秒差、ラムジーでは17.9秒差と徐々に引き離す。一方、3位争いではホドソンがトッドを逆転し、バラウでは3.2秒差にまで広げた。トッドは後半にかけてタイムを落とし、表彰台争いから脱落した。
ダンロップは2周目に122.610mphという自己ベストラップを叩き出し、22.6秒の大差をつけて優勝。これは彼のスーパーツインクラスでの最新勝利であると同時に、TT通算31勝目の記念すべき勝利となった。
表彰台争いと上位勢の結果
地元マン島出身のエヴァンスは、誕生日当日のレースで見事な2位を獲得。ホドソンも僅差で3位に入り、両者ともに自身初のTT表彰台を達成した。ジョーダンはホドソンに1.7秒届かず4位。トッドは5位に後退し、ドミニク・ハーバートソン(メルブレイ・レーシング・パトン)が6位で続いた。
7位以降はアダム・マクリーン(フリトウィック・ヤマハ)、ステファノ・ボネッティ(VASエンジン・レーシング・パトン)、バリー・ファーバー(DCモーターサイクルズ・ヤマハ)、マイケル・ラッター(バサムズAJNレーシング・ヤマハ)がトップ10を構成した。