アルヴァロ・バウティスタ(Aruba.itレーシング・ドゥカティ)が、ドゥカティとの最新契約に含まれていた2026年のオプションが行使されないことを明らかにし、スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)のシリーシーズンに衝撃を与えている。これにより、2度の世界王者とボローニャのメーカーとの関係は2025年シーズン限りで終了する見通しだ。バウティスタは「自分は来年フリーだ」と明言した。

バウティスタがWorldSBKに初参戦したのは2019年。当時もAruba.itレーシング・ドゥカティの一員としてデビューし、開幕11連勝の快進撃を見せ、一気にタイトル争いの主役となった。しかしその後の転倒続発により、当時カワサキのジョナサン・レイ(現パタ・マクサス・ヤマハ)が巻き返し、5連覇を達成した。2019年シーズン後、バウティスタはホンダへ移籍。2シーズンを戦ったが、#19にとっては不本意な期間となり、2020年と2021年の2年間で表彰台はわずか3回。転倒にも悩まされ続けた。
2021年末、再びAruba.itレーシング・ドゥカティに復帰。2019年の雪辱を果たし、2022年に自身初のWorldSBKタイトルを獲得。翌2023年もトプラック・ラズガットリオグル(当時ヤマハ、現ROKiT BMWモトラッドWorldSBKチーム)との熾烈な争いを制して連覇を達成した。しかし、その勢いはやや失速。2024年は優勝4回にとどまり(前年は27勝)、2025年もここまで未勝利。ドゥカティでの連続未勝利は自己最長の21レースに達している。
アルヴァロ・バウティスタ
「前回のラウンドでも言ったように、自分は今後もレースを続けたいと思っています。心身ともにまだ競争力があると感じています。2025年と2026年はドゥカティと契約していましたが、双方に契約破棄が可能な条項が含まれていました。自分からはチームに、継続を希望する意向を伝えていました。ルールの中でもパフォーマンスを発揮できるようになってきたと感じていたからです。ただ、ドゥカティ側はその条件を受け入れず、契約を破棄する決定をしました。それ以上の詳細はドゥカティに聞いてほしいと思います。」
「正直、それほど心配はしていません。自分はまだバイクの上で好調さと競争力を感じていますし、レースを続けたいという気持ちは変わっていません。今回ドゥカティとの契約条件はなくなりました。自分は来年フリーです。現時点ではドゥカティのライダーとして最善を尽くすつもりですし、このホームラウンドでも良い結果を出すことに集中しています。」
ステファノ・チェッコーニ(Aruba.itレーシング・ドゥカティ チームプリンシパル)
「今のところ、シートや候補の名前について決まっていることはありません。わかっているのは、そのシートが空いているということだけです。誰が乗るのか、まだ具体的なイメージは固まっていません。選択肢はたくさんありますが、現状で言える唯一の変化は、そのシートが空席になるということです。ルーキーになるかもしれませんし、新しい名前かもしれません。経験豊富なライダーになる可能性もあります。すべての可能性をオープンに考えています。」