トプラック・ラズガットリオグル(ROKiT BMW モトラッド WorldSBK チーム)が再びミサノを支配した。2024年に続き、今年も全3レースを制し、2年連続のミサノ・ハットトリックを達成。ランキングではニコロ・ブレガ(Aruba.it レーシング – ドゥカティ)とのポイント差を9にまで詰め、一気にタイトル争いの渦中へと躍り出た。
今季序盤、ラズガットリオグルはオフシーズンの負傷や新型ホモロゲーション車両への適応など、数々の要因で苦しい開幕を迎えていた。特に開幕戦フィリップアイランドではキャリアワーストに近い結果に終わっていたが、そこから徐々に復調。今回のミサノでの3連勝により、タイトル争いを事実上振り出しに戻した。

トプラック・ラズガットリオグル
「今週末は本当に全力でプッシュしていたので、3レースすべてで勝つという自分の目標を達成できて本当に嬉しいです。特に最後のレースではマシンのフィーリングが非常に良くなっていて、少しずつ改良を加えてきた結果が出ました。リズムにも乗れて、非常に強いペースで走れました。昨年ここで3勝して、今年も同じ結果を出せたことを誇りに思います。次は自分の大好きなドニントン。今季でこのパドックを離れる予定ですが、もし続けていたら、もっと多くの記録を作れていたかもしれません。それだけに、今年の勝利は特別です。」
「自分の父は2017年に亡くなりました。彼の最大の夢は、息子がMotoGPのライダーになることでした。ずっと周囲にそう話していたんです。そして今、その夢が現実になろうとしています。このメッセージ(”アリフへ、お前の息子はMotoGPにいる。父の日おめでとう” )は友人たちが作って、サーキットまで持ってきてくれました。涙が出そうになりました。本当に感動しました。これまで目標を一歩一歩達成してきた成果です。全てのお父さんに、ハッピー・ファーザーズ・デイを伝えたいです。」

スヴェン・ブルシュ(BMWモトラッド・モータースポーツ責任者)
「チーム全体にとって信じられない週末になりました。ここ数戦で、我々がどれだけ戦い抜いてきたかが証明されたと思います。特に、トプラックのMotoGP移籍で話題が飛び交う中、ここミサノでハットトリックを達成できたのは、本当に素晴らしい気持ちです。チームが成し遂げたことを心から誇りに思います。ミッキー(ファン・デル・マルク)にとっては厳しい週末でしたが、最終レースでトップ10入りし、前方争いに加われる可能性を見せてくれました。我々は今後もそこをしっかり強化していきます。全体として、BMWというブランドがここで完璧な存在感を示しました。我々はこの結果に誇りを持ち、ドニントンへ胸を張って向かいます。タイトル争いに完全復帰です。トプラックの勢いがあれば、何だって可能です。我々はすべてを懸けて戦います。」
クリスチャン・ゴンショール(BMWモトラッド・モータースポーツ テクニカルディレクター)
「我々はこのパドックで最高のチームであり、ミュンヘンの本社にも最高のチームがいます。これは完全なチームワークによる成果です。トプラックの走りは素晴らしいものでしたが、あの難しいミサノで、気温やグリップ条件の厳しさにも関わらず、3レースすべてで優勝し、全レースでファステストラップを記録するという結果は、チーム全体の力の証です。BMWのブランド力、チーム力、ライダー、そして我々全員の情熱を示した形になりました。残念ながら、メカニックたちはまだアイスクリームや冷たい飲み物で一息つけません。今はトプラックのマシンを完全に分解して技術検査を行っています。我々はその結果にも自信を持っていますし、すでに次のドニントンが楽しみです。」