HRCアルベルト・プーチ「唯一の目標は、前に進み続けること」 MotoGP2026

ホンダの復活へ導く“情熱の哲学”

アルベルト・プーチは、すべての原動力はモータースポーツへの情熱だと語り、その考え方はキャリアの初期から今に至るまで一貫しているという。ホンダという名に刻まれたレースへの信念と、量産車からレーシングマシンまで貫かれる理路整然とした開発思想。2025年は過去数年の延長線上にありながらも、確かな進化の手応えを感じており、ル・マンでの勝利や日本GPの表彰台をその象徴として捉えている。また、新拠点とエンジニア陣の分析力が土台を支え、ライダーたちにはフルアタックでの覚悟を求める。2027年を見据える中、競争はより激しさを増し、特に序盤戦はライダーにとって熾烈なサバイバルの舞台となると予測している。

アルベルト・プーチ(チーム・マネージャー)

「モータースポーツへの情熱が全ての原動力です。レースが好きだからこそ、毎日目を覚まし、子供の頃から続けてきたことを今もやり続けているのです。考え方も、生き方もずっと同じです。ただ、今は少しだけ経験を積んでいるという違いだけですね。これはライダー、チーム、そして環境すべてに通じることです。」

「ホンダという名前には、会社のDNAすべてに“レース”が刻み込まれていると思います。最終的にそれこそが進むべき道を示すのです。勝利への情熱、レースにかける情熱、それをこの会社は歴史を通じてずっと示してきました。量産バイク業界を見てみてください。信じられないほどの完成度で、バイクとして完璧に近く、しっかり機能する。しかも、シンプルに作られていて、長持ちするのです。当然ながら、レースの世界では物語は異なりますが、最終的に彼らがそのレベルに到達したとき、そこにあるのは“本当に競争力のある製品”なのです。」

「それはレースの現場でも、公道でも同じです。そして最終的には、非常に優れた、理路整然としたシステムが出来上がります。人生のあらゆる活動において“プレッシャー”が重要な要素だと思っています。結果に過剰に左右されてはいけません。唯一の目標は、前に進み続けることです。レースは決して楽な環境ではありません。もしその本質を理解できなければ、おそらくすぐに終わってしまうでしょう。勝利への情熱や“勝ちたい”という意志を失ったら、もうそこで終わりなのです。」

「ホンダのケースはこれにあたりません。2025年は2024年、あるいは2023年の延長線上にあると私は思っています。あの時期は、我々が開発を進めなければならなかった時期でした。我々にはコンセッションがあり、そこから抜け出すために動き続けていました。今のバイクが完璧だとは言いませんが、バイクの進化において大きな一歩を踏み出せたと思います。年初には“夏以降にステップアップする”と公表しました。そしてル・マンでのザルコの勝利は非常に大きなものだったと思いますし、日本でのジョアンの表彰台も、母国ファンの前で成し遂げた素晴らしい結果でした。」

「2026年に向けた土台は、すでに2025年の活動の中で築いてきました。今ではヨーロッパに新しい拠点も構え、高い技術力を持つエンジニアたちが多くの助けとなっています。彼らは非常に理路整然とした手法でバイクを分析しており、数学的視点からもすべてを見極めています。そうした要素の組み合わせは、確実に良い方向へ進むと見ています。我々のライダーたちは“フルアタック”で行かなければなりません。彼らは非常にプロフェッショナルですし、全力で走ってくれると確信しています。我々も全力でサポートしていきます。」

「2027年の話になりますが、その時点で各メーカーがどんなバイクを用意してくるのか、誰にも分かりません。つまり、契約があるライダーであっても、頭を使わなければ置いていかれます。そしてもしチームを離れたら、結果は出せません。一方で、契約のないライダーたちは、開幕戦から“獣のような”走りでアピールしてくるでしょう。ですから、ライダーにとっては非常に厳しい年になると思います。特にシーズン序盤の初戦はタフになるでしょう。」