マルコ・ベッツェッキは2024年もVR46からMotoGPに参戦する。最新型のファクトリーバイクを使用出来るPramacを蹴ってまでチームに残る決断をしたわけだが、やはりMoto2から共に戦ってきたチームスタッフとの関係を手放すことが出来ないと判断したようだ。

ライダーが極限の世界の中で結果を出すには、バイクの戦闘力だけでなく、信頼出来るチーム、スタッフがいることによる精神的に安心できる環境が重要だ。マルコ・ベッツェッキにとっては、この環境でさらにライダーとして成長することが、将来に向けて大きな糧になるだろう。

また、シーズン序盤を考えると、最新型のセットアップが決まるまでは、昨シーズンのバイクのほうが速いことは往々にして良くあることだ。今年大きく調子を崩しているエネア・バスティアニーニなどは、使用するバイクとチーム環境が変わった中で、さらにシーズン序盤に怪我をしたことで、完全に出遅れてしまった感がある。

今年はまだチャンピオンシップ争いが続いていくが、来年の契約も決まったことで、精神的に不安要素がなくなったマルコ・ベッツェッキが、フランチェスコ・バニャイアを追い上げていくのか。[adchord]

一緒に作業をするチームとの絆が重要

マルコ・ベッツェッキ

「2024年の契約を結ぶことが出来てほっとしています。レースに集中することが必要とわかっていても、来年のことを考えると落ち着かない状況で、集中しにくい状況でした。ようやくリラックス出来て、来年も今のチームでやっていくことが決まりました。本当に良かったですね。」

「今のチームに残る決断はチームのスタッフとの絆の深さがあります。メカニックだけではなく、全てのチームメンバーとは数年間共に仕事をしていますし、Moto2から一緒に戦っているスタッフもいます。一緒にボックスで作業をする仲間との関係は本当に重要なんです。こういう種の人間関係を再度構築することは簡単ではありませんからね。」

「MotoGPで来年チームを変えたとして、全く同じような状況をすぐに構築して戦えるとは思えなかった。これが最大の理由ですね。それにバレが自分のことを気にかけてくれますし、VR46に残るよう説得してくれました。バレにこんなことを言ってもらえるなんて幸福はありませんから、この面も大きかったですね。」

(Photo courtesy of michelin)