暴れまわるバイクと共に掴んだ表彰台
ジョアン・ミルは暴れるバイクと難しいタイヤマネジメントの中で自らをコントロールし、ホンダのマシンとパッケージに満足感を抱けたと振り返った。前日の予期せぬ転倒から一転、集中力を研ぎ澄ませたターン9での走りと、モルビデリとの攻防の中でペッコの苦戦を見極めたリスクある判断が、3位という結果をもたらした。競争力に疑問が向けられるホンダと苦しい時期に契約延長を決めたが、ミルは信念を貫いた。今回の表彰台はその信頼と挑戦への報いであると言える。

タフな条件下でも自信を持って完走
「おそらく自分の人生の中でもタイヤマネジメント、バイクも動き回る状況で最もタフと言えるレースでした。そんな状況でもしっかりとコントロールをすることが出来ましたし、150%自分たちのパッケージに満足できました。こういうライディングは自分のバイクに対して自信とフィーリングがないと出来ません。昨日のレースの流れから考えて、今日はこういったトップ争いが可能だと思っていました。ただ転倒とスピードの発揮の境目はホンダのバイクでは非常に曖昧です。ライバルよりもリスクを取る必要があるんです。自分自身も再び”ミル OUT”という表示を見たくはありませんのでレースを完走することを意識していましたが、表彰台を獲得できましたね。」
予期せぬ転倒からの修正と集中力
「昨日の転倒は予想外でした。そこまでアタックしていない状況でペドロの後方で走行していました。終盤に向けてコントロールしていると思っていた途端にフロントが流れました。今日はターン9でいつもよりも集中して走行しました。非常にタイトで1速のコーナーですしね。」
信念を貫いた契約延長とその成果
「ホンダがこのまま競争力が低い状況で終わるわけはないと確信していました。最悪のタイミングでホンダと2年契約を更新しましたが、プロジェクトに信頼を置いていました。互いにこうした結果が必ず得られると信じていたんです。いつか必ず結果は出ると思っていましたから、この結果はホンダに捧げるものです。」
モルビデリとの攻防とリスクある決断
「今回の表彰台は常にこうした目標に挑んでいる中で、偶然手に入るものです。本当に幸運でした。終盤はモルビデリとの差をマネジメントして走行していましたが、ペッコが苦戦しているのを見て、リスクを取って攻めました。ポルトガルでもこの流れを維持していきたいですね。」
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。