ミル ドゥカティ移籍決定後もホンダの2027年プロトタイプをブルノでテスト

ホンダが、来季ライバルメーカーへの移籍がほぼ確定となっているジョアン・ミルを、チェコGP翌日のブルノテストに招集していることが明らかになった。ミルはドゥカティのサテライトチームであるグレシーニとすでに合意に達しているとされており、2027年以降はホンダに残らない予定だ。MotoGPの歴史において、翌年にメーカーを移籍するライダーが開発中のマシンをテストするよう求められたケースはこれまでなく、異例の決断となる。

同テストにはルカ・マリーニも招集されていることが情報として伝えられている。マリーニの2027年以降のMotoGP参戦については現時点でまだ決まっていない。ホンダの狙いは、現在の2人のファクトリーライダーから新型マシンに関するフィードバックを得ることだ。ホンダは2027年向けに若手のディオゴ・モレイラと契約しているが、各メーカーがコース上に持ち込める850ccマシンは2台までに制限されており、今回のテストへの招集は見送られている。

テストライダーのアレイシ・エスパルガロが負傷中のため、ホンダが2027年プロトタイプの開発に充てられるライダーは現状、中上貴晶のみとなっている。ホンダにとって新型プロトタイプは非常に重要なマシンであり、ホンダに移籍されると噂されている2021年チャンピオンのファビオ・クアルタラロにタイトル争いができるマシンを提供することを目指している。

なお、現時点で2027年の契約が確定または更新済みのライダーは、ドゥカティのマルク・マルケスとフェルミン・アルデゲル、アプリリアのマルコ・ベッツェッキ、ヤマハのトプラック・ラズガットリオグル、そしてホンダのモレイラとヨハン・ザルコに限られる。ただしザルコは5月17日に負傷しており、チェコGPおよびオランダGPはベテランのカル・クラッチローがLCRチームで代役を務める予定で、復帰時期は未定だ。

ブルノでの月曜テストは2027年仕様マシン専用のセッションで、850ccエンジンの搭載、空力の簡素化、ライドハイトデバイスの廃止、そしてタイヤサプライヤーがミシュランからピレリへ交代するなど、大きな変革を伴う新時代の幕開けとなる。一方、クアルタラロ、フランチェスコ・バニャイア、ホルヘ・マルティン、ペドロ・アコスタ、アレックス・マルケス、ファビオ・ディ・ジャンナントニオ、エネア・バスティアニーニ、小椋藍はいずれも2027年にメーカーを移籍する予定であり、この重要な走行機会を逃すことになる。2027年マシンとピレリタイヤを用いたファクトリーライダー向けテストは、ブルノを皮切りに、オーストリアGP翌日、9月21日、そしてバレンシアでのシーズン最終戦後の12月1日にも予定されており、最後のバレンシアテストには全MotoGPライダーが制限なく参加できる。

ジョルジョ・バルビエ(ピレリMotoGPディレクター)

「ブルノやシュピールベルクでテストに参加できるライダーたちは、来季に向けて他のライダーたちに対して間違いなく大きなアドバンテージを得ることになります。ピレリとしても、2027年タイヤの最終開発に向けて、テストに参加するファクトリーライダーたちの意見やフィードバックに非常に注目しています。」