土曜日にザルコ選手が10年ぶりにロレンソ選手のベストラップレコードを更新したカタールGPでは、風が強く砂がトラック路面に載った状態にも関わらず、最終ラップまで素晴らしいバトルが展開されました。10年前の記録とは言え、予選用タイヤの記録を決勝用のタイヤで破ったというが、タイヤのパフォーマンスが大きく進化していることを如実に表していると言えるでしょう。

ミシュランは2018年のMotoGP世界選手権が、昨シーズン同様にアンドレア・ドヴィツィオーゾとマルク・マルケスによる熾烈な最終ラップでの争いによって開幕するのをカタールにおいて見届け、Ducatiのドヴィツィオーゾが勝利を収めました。

5番手からスタートしたドヴィツィオーゾはすぐにスムーズで高速なリズムを発揮。ポールポジションからスタートしたヨハン・ザルコがホールショットを奪い、序盤のレースをリードし、10人からなるフロントグループにおいて最初の17周のうち16周をリードします。その後ザルコは18周目にドヴィツィオーゾにトップを譲ります。ドヴィツィオーゾはフロントにミディアム、リアにソフトを選択。マルケスはハードのフロントタイヤにソフトのリアタイヤを選択していました。

多くの観客が昨シーズン同様の素晴らしい2人の戦いを期待していましたが、マルケスはミシュランのタイヤの性能をフルに引き出し、観客の期待に沿って最終ラップの最終コーナーにおいてドヴィツィオーゾを追い抜きます。マルケスのリードは僅かで、ドヴィツィオーゾがストレートでマルケスを抜き返し、僅か0.027秒で勝利を手に入れました。3位には木曜日に2年間の契約更新を発表したバレンティーノ・ロッシが入りました。

ザルコは土曜日に長年破られていなかったベストラップレコードを更新してポールポジションを獲得。これは2008年に記録した1’53.927という記録で、まだ新しいロサイル・インターナショナル・サーキットにおいてミシュランの予選用タイヤで記録したものです。

ザルコのタイムは0.247秒も速いもので、しかも路面のグリップは低かったため厳しいコンディションの中での記録でした。同様に予選で1列目を獲得したマルケスとペトルッチのタイムもまた、ロレンソの記録を破るタイムでした。3名のライダーが使用したのは決勝で使用されたものと同じタイヤで、MICHELIN Power Slicksの幅広いパフォーマンスを証明していると言えるでしょう。

全長5,400mのロサイル・インターナショナル・サーキットのコンディションは週末を通じて厳しいもので、強く吹いた風が周囲の砂漠からトラックに砂を運んでいました。この砂はタイヤの摩耗を加速させるものでしたが、MICHELIN Power Slicksのパフォーマンスは損なわれず、素晴らしいレースを生み出しました。

トップ3名に続いたのはカル・クラッチローで、彼は同時に独立チームトップの栄誉を得ました。ダニロ・ペトルッチが5位を獲得し、同様に351.9kmという最高速度を記録しました。これはMICHELIN Power Slicksのグリップと耐久性を証明していると言えます。

6位はマーべリック・ビニャーレスが獲得、7位にダニ・ペドロサ、序盤レースを引っ張ったザルコは8位となり、9位にアンドレア・イアンノーネ、10位はジャック・ミラーとなりました。

ミシュランはこれから赤道を超えて南に向かい、アルゼンチンのテルマス・デ・リオ・オンドに向かいます。明るい南米において、4月8日にMotoGP世界選手権第2戦が開催されます。

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「バイクとタイヤに関するフィーリングが週末を通じて非常に良く、レースの中で素晴らしい働きをしてくれました。このサーキットではタイヤを温存することが重要です。これはトラックの特性によるものです。自分はタイヤを最後の4周までセーブし、それからファステストを記録しました。最後に後続とのギャップを作ることが出来ず、マルクが最後に後ろにいたのは驚きました。ただ、全体的には満足のレースでした。」

ミシュラン・モータースポーツ 2 輪マネージャー:ピエロ・タラマッソ

「素晴らしい開幕戦になりましたし、まずは優勝したアンドレアに祝福を、そして素晴らしいレースを見せてくれた選手達にも賛辞を贈りたいと思います。今週は風によって予期していなかった状況が発生し、トラックに多くの砂が運ばれていました。これによってテストの際よりもトラックコンディションが悪化してしまったんです。」

「これによって気温差の激しい日中、夜間の練習走行が難しくなり、レースに向けてのタイヤチョイスが難しくなりました。全てのライダー達がソフトのリアを選択しましたが、これは冬季テストで紹介された新しいコンパウンドです。全てのライダーがこれを気に入ったということが我々にとっては非常に重要でした。フロントには3種類のコンパウンドを用意しましたが、これはライダー達に幅広い選択肢を与えるものでした。表彰台に3台の異なるメーカーのバイクが載ったことがこれを証明していると言えるでしょう。」

「レースにおけるタイヤのパフォーマンスには満足していますし、またしてもエキサイティングな週末を生み出す助けとなりました。土曜日のヨハンの素晴らしいポールポジションは、予選用タイヤで記録された非常に古い記録を破るもので、レースタイヤでこの記録を破ったということは、大変喜ばしいことです。」

(Photo courtesy of michelin)

<ミシュラン プレスリリース>