フランスGPの裏側ではホアン・ミルを巡っていろいろな交渉が行われていたようで、リンスのチームメイトを誰にするかと考えるスズキと、ミルに対して優先交渉権を持つホンダという状況で、イタリアGPの前に何か大きな動きがあるかもしれません。
先週末にル・マンにおいて、ダヴィデ・ブリビオはホアン・ミルがアレックス・リンスの将来的なチームメイト候補であると隠そうとしなかった。リンスはちょうどフランスGPの前にスズキとの契約更新を発表している。若きミルと共に候補に上がっているのはアンドレア・イアンノーネとホルへ・ロレンソだ。この3名以外にもこの先2年間リンスのチームメイトとなるライダーがおり、スズキはムジェロの前にこれを発表する予定だ。
ロレンソの代理人との交渉は1ヶ月と言わずとも1週間以上に渡って続いており、ロレンソが契約金に求める条件、そしてより重要なことに彼の態度が、この移籍の可能性とロレンソというスターライダーがやってくるという雰囲気に水を差している。
この時点でイアンノーネという可能性はない。日曜のレース以降にイアンノーネはスズキは別のライダーと交渉しているとし、既にスズキからのオファーはないとして別の可能性を探すほうが良いとしている。イアンノーネの最近の良いパフォーマンスは、彼がスズキにやってきた時の態度に対するスズキの意識を変えるには至らなかったようだ。
最後にミルという可能性についてだが、これはスズキのことを考えるとかなりレアだ。ダヴィデ・ブリビオはミルにマーべリック・ビニャーレスやアレックス・リンスにしたのと同じ方向性での提案をすると予想される。
しかし、もしリンス/ミルという組み合わせとなった場合、両者のMotoGPにおける経験不足により、彼らと共に作業をするエンジニアにとっても、そして特にバイクの開発という部分に関して、疑いようもなくスズキはリスクの高い状態となるだろう。
またミルがスズキにやってくるかどうかは、ミルのホンダとの契約内容にも関連してくる。ホンダはミルがMoto3にいた時に結んだ契約により、ミルがMotoGPクラスに昇格する際の優先交渉権を保有している。
つまりスズキがミルに対してオファーをするとすると、ホンダはそれに対抗出来、ホンダへの移籍が実現するというわけだ。どのチームか?それはマルク・マルケスのチームメイトとしてのポジションになるだろう。非常に複雑だが、これがフランスGPの中で起きていた交渉なのだ。さて、ミルの未来はスズキブルー、それともレプソルオレンジなのだろうか?
(Source: pecinogp)
(Photo courtesy of michelin)