ミシュランが今回フランスGPに投入したコンパウンドのタイヤは、多くの観客が詰めかけたル・マンにおいて大きな効果を発揮。マルク・マルケスが今季3勝目を達成しました。
ミシュランのPower Slickタイヤが素晴らしいパフォーマンスを発揮しラップレコードを何度も更新。その中でフランスが地元のヨハン・ザルコが土曜日の予選走行で最速タイムを記録し、27周のレースにおけるポールポジションを獲得しました。3日間の様々な気象条件のもとミシュランのフルレンジのタイヤが使用されました。非常にグリップの高い路面は、ライダー達にタイヤの性能をフルに使うことを許容しましたが、冷たい気温、低いトラック温度により、ライダー達はタイヤを最適な温度に保っておくということを要求されました。こうしたミックスコンディションの中で、タイヤチョイスが大きな要因となり、レースの中では6種類のうち4種類のスリックタイヤが使用されました。
105,203人と記録的な動員数となったル・マンでスタートシグナルが消えると、ザルコは良いスタートを決めますが、Ducatiのホルへ・ロレンソとアンドレア・ドヴィツィオーゾが追随します。3名は激しいフロント闘いを展開しますが、この中でドヴィツィオーゾとザルコが転倒により離脱。ロレンソはマルケスに追いすがられ、10周目にリードをマルケスに譲りました。ロレンソを抜いた後、マルケスはコンスタントなペースでそのまま走行。なおマルケスはフロントにミディアムヘア、リアにハードコンパウンドのタイヤを装着していました。マルケスはリアにハードタイヤを選択した唯一のライダーで、これで自身最高峰クラスでの38勝目を達成しています。
マルケスの背後では素晴らしいバトルが繰り広げられ、ダニロ・ペトルッチが2位、独立チーム1位を獲得。ペトルッチは前後にソフトコンパウンドを履いており、3位のバレンティーノ・ロッシはミディアムのフロントタイヤにソフトのリアタイヤを使用しました。この3名の異なるタイヤチョイスは、またしてもミシュランがそれぞれ異なるメーカー、バイクに最適なタイヤを提供していることの証明でもあります。
今日のレースはドライで晴れたコンディションで行われましたが、冷たい風によって気温は18℃、アスファルトは30℃という状況でした。今週末はこうした天候が続いていたため、ライダー達は練習走行の中からそれぞれのマシンに最適なタイヤ選択をすることが出来ました。
表彰台を獲得した3名に続いて、ジャック・ミラーが4位、ダニ・ペドロサが5位を獲得。ロレンソは6位となり、マーべリック・ビニャーレスが7位を獲得。カル・クラッチローは予選セッションでの激しいハイサイドにより病院送りとなった後に8位を獲得。アレイシ・エスパルガロが今シーズンベストの9位となり、アレックス・リンスが10位を獲得しています。ミシュランは次にイタリアへと移動し、第6戦となるイタリアGPを6月3日に迎えます。
マルク・マルケス
「ミシュランのホームであるフランスで優勝出来たことを嬉しく思います。このサーキットは自分達にとっては難しいサーキットですので、この結果を喜んでいます。自分はハードにリアを履いた唯一の選手でした。皆がリアにソフトを履いていましたが、これはソフトタイヤのパフォーマンスが非常に良かったためです。ただ今朝になってハードタイヤのほうが自分には合っていると気づいたんです。タイヤを適切な温度に温めるために、レースのアプローチを少し異なったものとなりましたが、一度タイヤが適切な温度になると、非常にコンスタントに速いペースで走行することが出来ました。最後までタイヤをしっかりとマネジメントすることが出来、最終ラップにタイムを縮めることも出来ました。今日は優勝するのは十分な走りだったと思います。今日は本当に嬉しいですし、優勝を楽しみたいと思います。」
ミシュラン・モータースポーツ 2 輪マネージャー:ピエロ・タラマッソ
「今週もまた素晴らしい週末でした。ラップレコードが破られ、レース自体も非常に高速で、ここホームレースに持ち込んだタイヤも素晴らしい形で昨日しました。ここまで気温が低いとは想定外でした。ライダー達がしっかりとタイヤを温め続けないとタイヤの適切温度以上に冷えてしまう状態だったんです。ですから、ミシュランのテクニシャン達もこれをチームにしっかりと伝えていました。
マルクはレースの中で高速タイムを記録しましたが、今日の優勝にふさわしい走りだったと言えます。しかし、ダニロとバレンティーノもずっとプッシュしていました。こうした3つの異なるメーカーのバイクが、異なるコンパウンドのタイヤを履いて表彰台に上がるのを見るのは嬉しいことです。そして何よりも素晴らしいのが、6つのメーカーがトップ11に入っているということです。チャンピオンシップにとっても素晴らしいことですし、どのメーカーにとっても最適なタイヤを作るという我々の信念を象徴していると言えるでしょう。
<ミシュランタイヤ プレスリリース>
(Photo courtesy of michelin)