レースの後半にはリアタイヤのグリップが落ちてしまったと語るクラッチロー。マルケスとドヴィツィオーゾがバトルする後方で良い形でレースをしようと考えていたようですが、ドヴィツィオーゾが転倒したことで2位を獲得。最後のリンスとのバトルも楽しんだようです。

カル・クラッチロー

「タフなレースでした。序盤の12周は良い形だったんです。でも問題はペースが遅すぎたことです。ある時点では後続に1.7秒の差があったんです。ただその後になってリンスが先頭になっている集団に完全に追いつかれてしまいました。これはドヴィがかなり遅いペースで走行していたからです。彼は45.8のペースで走行出来たんですけど、46.5で走行していました。つまり1周ごとに0.5秒失っていたんです。それでドヴィの後ろで彼を抜こうと思っていたらマルクに抜かれてしまいました。でもその後はマルクとドヴィを戦わせて、自分は自分のレースをして後ろの連中に追いつかれないようにと思っていました。今回はとにかくチームの作業が素晴らしかったです。それにホンダも今年、そして今週末に素晴らしいサポートをしてくれました。」

「マルクとドヴィに引き離されていた時は、少しリアタイヤのグリップが落ちてしまったんです。2人について行こうとしてプッシュしていたんですが、ブレーキングであまりフロントタイヤをプッシュし過ぎないようにしていました。リンスが追いついてきた時に再び良いペースとなり、前の2人に追いつくことが出来ました。ただホンダの弱点としては1人で走行するぶんには良いんですけど、誰かの後ろで走行する時に苦戦してしまうという側面があるんですよね。」

「最後はドヴィが転倒してリンスが猛プッシュして来ました。彼のエンジン音がすぐそこに聞こえたんですけど、ホンダの強みであるブレーキングポイントを活かしました。彼が後ろにいるのはわかっていましたけど、彼がブレーキングで自分を抜けるはずが無いと思っていましたしね。イアンノーネもいるのはわかっていましたけど、彼は最後まで走り切ることはないと思っていました。彼とバトルをするとなるとかなりペースが落ちてしまうことがわかっていましたから、彼とバトルしたくなかったんです。彼のバトルの仕方は、相手を駄目にしてしまうやりかたですから。リンスの場合は彼に抜かれたとしても自分のラインを維持することが出来るんです。マニアックの場合は何が起こるかわかりませんから(笑)」

「マルクは本当に凄いですよ。彼のデータを見て何をしているか解説することは出来ますが、同じことをやろうとしても出来ませんからね。ホンダライダーは皆彼のやり方から学ぼうとしているんですが出来ないんです。彼ほどコンスタントにこのバイクを乗りこなせる選手はいません。彼は今年本当に素晴らしいですよ。調子が悪い時も結果を出していますからね。そして勝つ必要がある時には優勝出来ますからね。」
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(Source: LCR HONDA)

(Photo courtesy of michelin)