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ブレンボが分析する2019年MotoGPイギリスグランプリ

最高峰クラスにおけるシルバーストーンでのブレーキングシステム

MotoGPは第12戦の舞台であるシルバーストーンに8月23日から25日のスケジュールで戻ってきます。第二次世界大戦の後に建造されたサーキットは、廃棄された空港の跡地に作られました。場所はシルバーストーンからほど近く、初回のグランプリレースは1950年に開催されたF1チャンピオンシップでした。

バイクの世界選手権が開催されたのは1977年でした。これはそれまでのイギリスGPがマン島で開催されていたためです。MotoGPバイクが使用するトラックの全長は5.9kmと長く、世界選手権の中で最長となっています。また雨がよく降ることも特徴で、レースウィークに少なくとも1回は雨が降ることが一般的です。2015年には雨のレースでバレンティーノ・ロッシが優勝。この時のQ2は酷い土砂降りの中で行われています。
過去にMotoGPライダー達は雨のレースではスチールディスクを使用していましたが、今年その必要はありません。2017年にミサノ、もてぎで証明したように、ブレンボの最新のカーボンディスクはウェットコンディションのトラックでも十分に性能を発揮するのです。

MotoGPの全ライダー(最高峰クラスではブレンボの供給率は100%)に技術協力しているブレンボの技術者らによると、シルバーストーン・サーキットはブレーキへの要求はさほど大きくないサーキットです。難易度指数は1〜5のうち3で、これはミサノ、ブリーラム、バレンシアなどと同様です。 

レース中にブレーキに求められること

サーキットの18のコーナーのうち、ブレーキングセクションは10で、うち7つのブレーキングセクションでブレーキは3秒以上使用されます。1周の中では、MotoGPライダー達はブレーキを34秒間使用。これはレース全体では11分間となります。

別の言い方をすると、バイクは33kmブレーキを使用することとなり、ライダーがブレンボブレーキレバーにレース中に与える力を合計すると800kgとなります。これはレース中の時間1分につき、20kgの力をかけるということになります。

MotoGPバイクにおける平均減速Gは1.1Gで、0.6Gから0.7Gの減速Gがかかる3つのコーナーがなければ、さらに高いものになるでしょう。とは言え、MotoGPバイクにイギリスGPで発生する平均減速GはテスラモデルXのそれより0.1G大きいのです。

最も過酷なブレーキングポイント

シルバーストーンの10のブレーキングセクションのうち、3つが非常に難易度が高く、4つが通常、残り3つは難易度が低いセクションです。

ブレーキング区間は長くないものの、ターン7はライダーとブレーキングシステムにとって最も難易度の高いブレーキングとなります。ライダーはここに時速326km/hで進入し、125km/hまで減速します。レバーにかかる力は5.5kgで、ブレンボのHTC 64Tブレーキフルードが受ける圧力は11.8barに達します。

ターン16は距離にして269m、時間にして5秒間と、ライダーが最も長い今日ブレーキをかける場所となります。MotoGPバイクは294km/hから104km/hまで減速。レバーにかかる力は5kgで、ブレンボブレーキフルードにかかる圧力は10.7barとなります。これらのコーナーとターン1でかかる平均減速Gは1.5Gとなります。

ターン1ではライダーは143km/hでコーナリングを行います。そのためブレーキングの時間は3.5秒間に過ぎません。
 

ブレンボの優勝数

過去5回のイギリスGPでは、異なる5名が優勝、これとは別の3名が表彰台を獲得していますが、全員がブレンボブレーキを使用していました。2年前はDucatiのアンドレア・ドヴィツィオーゾが優勝、最後に2連続優勝を果たしたのはホルへ・ロレンソとヤマハでした。

(Source: Brembo)

(Photo courtesy of Brembo)

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