HRCはLCRホンダのカル・クラッチローのチームにいた電制エンジニアであるアラン・ホルターマン、マルコ・バービアニ、経験あるエンジニアであるジャンニ・ベルティを、レプソルホンダのアレックス・マルケスのチームに加入させた。3名ともHRCに雇用されていることを考えると、LCR側が文句を言える立場ではないが、カル・クラッチローとしては不満は募るだろう。こういった動きからすると、アレックスの契約年数は1年ながらもHRCとして全力でバックアップしていこうという方向性が見てとれる。


カル・クラッチロー

「HRCは自分のエンジニアをアレックスのチームに移動させました。自分は今年マルケスと共に表彰台を獲得したライダーですし、昨年もそうでしたし、来年も表彰台を獲得するでしょう。来年タカが成長してくれることを願っていますが、ホンダでマルクに最も近い実力を持っているのは自分です。その自分がより戦闘力を発揮出来る体制にするのであれば理解出来ますが、自分の戦闘力を削ぐような事をすべきではないでしょう。」

「HRCは自分のチームの技術者をレプソルホンダに移動させましたが、アレックスは未だ学習段階です。彼がこうした有能なスタッフを手元に置いたところで大きく何かが変わるとは思えません。とは言え、これはHRCの決定事項ですから従う他ないでしょう。」

「2020年型のバイクに関しては前進した部分があるという事はポジティブですし、快適性は向上しています。しかし乗りやすくなっているかというとそういうわけではないですね。冬の間に改善を続ける必要がありますし、恐らく改善は出来るでしょう。テストはまだ2日間しか行っていないことを考えると、レースウィークよりも速いタイムで走行出来るようになっているというのはポジティブでしょうね。」

「2020年型はフロントのフィーリングが改善していますが、望んでいた程の改善はしていません。しかし2020年型の最初のフィーリングとしては良いですね。実際、今日はこのバイクのセッティングは一切触っていません。いろいろなパーツを試す中で、サスペンションのセッティング、バイクの長さ(ホイールベース)、高さ(イニシャルor重心)などパーツと関係ない部分を試すのは良くないんですよ。」

「ですから、何のセッティングも施さずにテストしたことを考えるとホンダは良い仕事をしたと思いますが、バイクを乗りやすくする、レースディスタンスでコンスタントに走行しやすくするという面では、まだまだやるべき作業が残っています。」

(Source: LCR)

(Photo courtesy of michelin)