FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)は開幕戦オーストラリア戦を終えた後、コロナウイルスの影響で継続が不可能となった。この期間中に選手達は何を思い、どのようにトレーニングしているのか?アルヴァロ・バウティスタが語る。

Q

「今この時期に何をしていますか?」

アルヴァロ・バウティスタ

今まで経験したことが無い状況ですね。このウイルスはお年寄りや体が悪い人、既に基礎疾患がある方に大きな影響を及ぼしています。自分たちのことよりも他の人のことを思いやることが必要ですね。連帯感を持って挑むことが必要で、なるべく早くこの状況が良くなること、再びこのような自体に見舞われないことを願いましょう。」

Q

「世界レベルのアスリートにとって、トレーニングと心理的な準備は重要です。再びトラックに戻るためフィジカル、メンタルの準備を変えましたか。」

アルヴァロ・バウティスタ

今の時点では今までのトレーニングの半分しか出来ていません。幸運にも自分は家にこじんまりとしたジムがありますから、何かしらトレーニングは可能です。しかしもっと技術的なトレーニング、つまりバイクに乗ったトレーニングは出来ません。モトクロスとかスーパーモタードでのトレーニングですね。」

フィジカルなトレーニングは出来ますけど、バイクを使ったトレーニングやプロフェッショナルなトレーニングが出来ていません。とは言え、この状況に自分を適応させるしかありません。メンタル的にはバイクに乗れないのだということ、いつレースが出来るかわからないということには意識を集中していません。家での時間をポジティブに使おうとしています。生まれたばかりの娘と過ごせているというのは何よりも幸せですね。

Q

「開幕戦は無事終えることが出来ましたが、過去2週間で開幕戦のレースウィークを振り返ることは出来ましたか?冷静に見てどのような評価をしますか?そしてこれから何を期待するのでしょうか。」

アルヴァロ・バウティスタ

「とにかくチャンピオンシップをスタート出来ました。難しい週末でしたが、同時に非常にポジティブなものでした。走り始める前にタフな週末だろうと思っていました。チームもバイクも新しく、全力で開発を進める必要があるわけですからね。」

「時間が必要だったにも関わらず、レース前に多くの時間は残されていませんでした。これはウインターテストの最中の天候が優れなかったことも一因です。しかしオーストラリアの週末の中で、バイクに対する自信を向上させる解決策を見つけるために全力を尽くしました。」

土曜には転倒もあって難しい週末でしたが、自分達の、チーム、ホンダの実力を発揮出来たと思います。これはポジティブなことですし、多くのデータを持ち帰ることが出来ています。これで次のレベルに進むことが可能ですが、エンジニア達はトラックで作業は出来ませんから、自宅などで作業をすることになります。」

Q

「日本のエンジニア達と連絡を取り合っていたりするのでしょうか?」

アルヴァロ・バウティスタ

「ええ。レース終了後にそのことについて話し合いました。レース週の間では、最も重要で即時性が必要な内容だけを話し合うんですが、それ以外のあまり重要ではない細かい部分は忘れてしまいがちなんです。オーストラリア戦以降、連絡を取り合っていて、バイクの感触を伝えたり、さらなら詳細な部分を詰めたりしています。間違いなく作業を継続出来ていますね。こういう形でファクトリーとしっかりと連携しているんです。」

Q

「ファンに向けたメッセージをお願いします。」

アルヴァロ・バウティスタ

「今最も重要なのは皆さんの命ですから、しっかりと自宅待機を続けてください。他の人のことを考え連帯意識を発揮するべき時です。願わくば病気にかかっている人が良くなって、レースも早く再開出来ることを願っています。そしてすぐに元の世界に戻れることを願います。」

(Source: HRC)

(Photo courtesy of HRC)