Ducatiにとって2021年以降マルク・マルケスと戦っていくための若手ライダーとして、ジャック・ミラーが2021年からDucatiファクトリーのライダーとなる。まだ25歳ながらMotoGPデビューが20歳だったミラーは既にMotoGPクラスで5年の経験を持つ。
当初はホンダで苦戦するも、DucatiのサテライトチームであるPramacに加入してから、ダートトラック出身でリアブレーキの操作でバイクをしっかりとコントロール出来る彼のライディングとバイクの特性がうまく噛み合ったと言えよう。ケーシー以来となるチャンピオンシップ優勝が最終的な目標だが、今シーズンPramacにサテライトチームとしての優勝をプレゼントしてチームを去りたいと考えているはずだ。
ずっとファクトリーライダーになるのが夢だった
ジャック・ミラー
「ずっとファクトリーライダーになりたいと思ってきました。この夢を6ヶ月もレースをしない状態でホームタウンにいながら迎えるなんて思っていませんでした。間違いなく2020年は奇妙な1年ですね。2021年シーズンをどのチームで走るかこんなにも早く決めることが出来ましたし、これからが楽しみです。自分にとっては様々な意味で夢が叶ったと言えるでしょう。」
「2015年にMotoGPクラスにデビューしてから、ファクトリーチームに加入することをずっと目標としてきました。これが現実のものとなるなんて信じられません。でもこれが現実だということは、震えるほどに嬉しいですね。」
「人生を通してこの夢を実現するために生きてきました。バイクに乗り始めた頃から、ずっとこの夢を抱いてきたんです。本当に現実とは思えませんが、今までのハードワーク、そして自分を支えてくれた人達のおかげでしょう。」
「Ducatiには彼らの信頼を自分に置いてくれたこと、彼らが成し遂げたいと思っている仕事を自分に信頼して任せてくれたことを感謝します。2018年にDucatiファミリーに加入した時から、ファクトリライダーになりたいと願ってきました。自分のように常に1年契約だった人間にとって、ファクトリーライダーというのは憧れの存在だったんです。」
「この2年間Pramacと共に走ってきましたが、自分自身ついても、ライダーとしても、スポーツをプロフェッショナルとして行うことについても多くを学びました。Pramacは自分がより完成した人物、ライダーになるのを手助けしてくれましたし、自分に多くの時間を投資してくれました。彼らのおかげで、自分もさらに良いライダーになりたいと強い思いを持ってここまでこれたと思います。」
「Pramacチームはファクトリーチームと関係が深く、彼らを通じてファクトリーライダーがいかにあるべきか、働くべきかを学ぶことが出来ました。レースに対するアプローチ、いかにレースをするべきかなど、理論的なやり方を学ぶ必要がありました。しかしこれを学習することで、チーム、バイクをよりうまく機能させることが出来るんです。より多くの責任がのしかかることになりますが、本当に楽しみながら学習を進めてきました。」
「マルク・マルケスがやってきて以来、MotoGPのライダーマーケットは大きく変わったと感じていました。マルクは自分よりわずかに年上ですが、長い間トップに君臨していて、彼のメインのライバルはバレンティーノ・ロッシ、ホルへ・ロレンソ、ダニ・ペドロサでした。」
マルクは自分にとってのベンチマーク(基準点)
「しかし今時代は変わっていると思います。ヤマハは自分と同年代のマーべリック・ビニャーレス、スズキはアレックス・リンス、ジョアン・ミルを抱え、Ducatiが自分のことをDucatiにとっての将来を担う若手ライダーだと考えてくれることを願っていました。マルクは自分にとってのベンチマーク(基準点)です。それに他の全てのメーカーのファクトリーライダーにとってマルクに少しでも近づくことが目標なんです。」
ヤマハファクトリーのクアルタラロ起用は衝撃
「ヤマハが来年バレンティーノ・ロッシに代わってファビオ・クアルタラロを採用したことは衝撃でした。ヤマハにとって避けられない選択だったと思いますが、ヤマハにとってはライダーを変更するという以上の出来事だったはずです。なにせロッシですからね。Ducatiが自分を将来的にマルクと戦うべき若手のライダーだと思っていることを心から嬉しく思います。」
Pramacにふさわしい最高の結果をプレゼントしたい
「今シーズンが開幕したら、Pramacでの最後のシーズンを少しでも良い結果で終えるよう努力したいと思います。今年は達成したいと思っている明確な目標があり、それもあってシーズン開幕が待ち遠しいですが、シーズンが開幕した後は、チーム、そして自分自身で達成したいと考えている目標を達成するために最大限努力したいと思います。」
「チーム、Pramacという組織は本当に素晴らしい存在です。来年Ducatiファクトリーのガレージの移る前に、彼らにふさわしい結果を得たいと思います。それが自分にとって何よりの喜びです。」
(Source: Ducati)
(Photo courtesy of michelin)