試練のスティリアGP決勝レース ベンスナイダーは24位で完走、エガターはマシントラブル・無念のリタイア
2020年シーズン第6戦スティリアGPの決勝は、NTS RW Racing GPにとって厳しい内容のレースになりました。ドミニク・エガターは、技術的な課題が発生したためにピットへ戻ってリタイア。ボ・ベンスナイダーは3回のロングラップペナルティを通告されて29秒のタイム加算を受け、24位でのゴールを余儀なくされました。
ちょうど一週間前にここレッドブルリンクで行われた第5戦でエガターは4ポイントを獲得しましたが、今回のレースでは苦戦を強いられてしまいました。13番手争いのグループで激しい争いを続けているさなかに、技術的な課題が発生してしまったのです。このとき、エガターは18番手につけていましたが、これ以上の走行は難しいと判断して19周目にピットへ戻り、レースの継続を断念しました。
ベンスナイダーも、技術的な課題を抱えながら我慢の走行を強いられました。フロントブレーキに振動が発生し、思いどおりにマシンをコントロールすることが難しくなっていったのです。何度かトラックリミット(コース限界)を越えてしまったことにより、13周目にロングラップペナルティを科されましたが、告知から3周以内の消化を実施しなかったため、17周目にダブルロングラップペナルティを通告され、22周目にもさらにロングラップの通知を受けました。ベンスナイダーはレース中にこのペナルティを一度しか消化できなかったため、29秒のタイム加算を受けて最終的に24位という結果になりました。
次戦の第7戦はイタリアに戦いの舞台を移し、ミザノワールドサーキット・マルコ・シモンチェッリでサンマリノGPが開催されます。Moto2クラスのフリー走行1回目は9月11日(金)午前10時55分(日本時間17時55分)にスタートする予定です。
ボ・ベンスナイダー選手(ゼッケン64)
(決勝レース:24位)
「グリッドにつくためのウォームアップラップ段階から、すでにブレーキの振動を感じていたんだ。ブレーキパッドが新品だったから、すぐに収まると思ったんだけれども、思っていたようにはならなかった。このサーキットはブレーキに厳しいコースだということもあって、問題は周回ごとに大きくなり、フロントタイヤとサスペンションの操作感が辛くなっていったんだ。ロングラップペナルティは一度しか消化しなかったので、その行為に対して処分が下されるような気がしたけれども、ロングラップを何度やっても同じだとも思ったし、僕としては走り続けたかったんだ。こういう結果になってしまったことが残念で、申し訳なく思う。次のレースでは、問題を解決して万全の状態で臨みたい」
ドミニク・エガター選手(ゼッケン77)
(決勝レース:DNF)
「今朝のウォームアップ走行では、ちょっとしたところを改善できたので、レースでもそれがいい方向に活きると思ったんだ。グリッドは28番手だったので厳しいレースになることは覚悟していたけれど、スタートはまずまずで、序盤に18番手までポジションを上げて13位争いに加わることができた。10周目ごろから問題が出てきて、最後はもうそれ以上走れない状態になってしまった。今回のレースでもポイントを獲得するつもりで臨んでいたので、本当に残念だよ。この3連戦で僕に走るチャンスを与えてくれたNTS RWRacing GPの皆には、心から感謝をしている。素晴らしいチームで、とても充実した時間を過ごすことができた。次戦では、僕が今シーズン参戦しているMotoEのレースがあるので、代役はひとまずこれで締めくくりになる。チームには、今後のさらなる健闘を祈っている」
(Source: NTS)
(Photo courtesy of NTS)