アンドレア・イアンノーネのプロキャリアは実質的に終わり
アンドレア・イアンノーネのドーピングに関する最終的な判断がくだされた。スポーツ仲裁裁判所(CAS)はアンドレア・イアンノーネと弁護側が主張していた18ヶ月の資格停止の軽減(解除)を退け、4年間の資格停止を決定した。
アンドレア・イアンノーネの資格停止は2019年12月17日から始まっているため、資格停止解除は4年後となると2023年12月17日となる。つまり最短で彼がレーシングライダーとして復帰出来るのは2024年シーズン、実に彼が34歳の時となる。
バイクに関するあらゆるプロフェッショナルな活動が禁止されるため、34歳のイアンノーネは2019年11月からレースバイクでの経験がない状態で新たにチームを探すことになり、実質的にはイアンノーネのプロフェッショナルとしてのキャリアは終わったと言える。
スポーツ仲裁裁判所(CAS)はプロフェッショナルスポーツの様々な問題の問題解決の最後の手段となるため、これ以上この問題について控訴出来る機関は存在しない。
2013年よりDucatiのサテライトチームであるPramacからMotoGPに参戦した彼は、2015年にはDucatiファクトリーに移籍。2016年はレッドブルリンクでMotoGP初優勝を記録。2017年からスズキに移籍し、2019年からはアプリリアで参戦していた。なお、MotoGPにおける通算表彰台の回数は11回だ。
意図的なドーピングではなかった証明は出来ない
スポーツ仲裁裁判所(CAS)
「アンドレア・イアンノーネは彼自身が摂取した食肉がどのような過程で製造されたものか、どのような種類のものか把握することを怠った。さらにイアンノーネと彼のマネージャーが主張していた、マレーシアにおける食肉のドロスタノロン汚染があったことは立証されていない。これらの理由から、アンチ・ドーピングルールに抵触する行為があったとの結論に至った。」
「アンドレア・イアンノーネは彼のドーピングが意図したものではないと主張していたが、その主張を裏付けるには根拠が足りず、(意図したものではないドーピングの場合、最大でも資格停止は2年間)つまり意図的なドーピングがあったと判断せざるを得ない。」
さて、これでアプリリアは2021年のライダーラインナップの候補からアンドレア・イアンノーネを失った。ドヴィツィオーゾという選択肢もなくなり、残る手立てはヤマハテストライダーとして契約したと噂されるカル・クラッチロー、そして当初はアプリリアテストライダー候補とされていたホルヘ・ロレンソの電撃復帰、もしくはそれ以外の何らかのカードを切るかだ。
(Photo courtesy of michelin)