2023年にホンダはMotoGPの参戦体制を大きく変更するようだ。すでに中上 貴晶のクルーチーフであったジャコモ・グイドッティがLCRを離れ、ジョアン・ミルのクルーチーフとなることが明らかになっており、テストチームと仕事をしていたクラウス・ノーレスが中上 貴晶のクルーチーフとなる。

なお、テストチームのテクニカルマネージャーに新たに就任するのは、ダニ・ペドロサと長く仕事をしていたラモン・オーリンだ。HRCでRCV213Vの開発を牽引するのは国分 信一氏となり、HRC レース運営室 室長は引き続き桑田哲宏氏が務める。テクニカルディレクターの横山健男氏は日本へ異動となる。[adchord]

当初はオーリンがジョアン・ミルのガレージにトラックエンジニアとして就任する予定だったが、2022年のホンダの成績(参戦した6メーカー中でコンストラクターズチャンピオンシップで最下位、チームズチャンピオンシップで12チーム中9位)を受けて、テストチームで車体開発を進めることが重要という判断になった可能性が高い。

しかし、マルク・マルケスは2023年のプレシーズンテストにおいて、「このバイクでタイトル争いは出来ない」とコメントしており、怪我から復帰しつつあるマルク・マルケスをホンダとして、しっかりと支えチャンピオンシップ争いをしていくためには、抜本的な開発体制の変更が必要と判断を下したと考えても不思議ではない。

ただ、来年30歳になるマルク・マルケスにとって、自身が持つ8度の世界タイトル獲得をさらに伸ばし、バレンティーノ・ロッシの持つ9度の世界タイトル獲得と並び、それを抜いていくには、MotoGPで戦える時間はそう多くない。ホルヘ・ロレンソ、アンドレア・ドヴィツィオーゾの例を見ても、MotoGPで現役としてトップ選手として走り続けることが出来るのは34歳くらいが限界だろう。

マルク・マルケスとレプソル・ホンダの契約は2024年までだが、2023年シーズン〜2024年のプレシーズンのうちに、RCV213Vがタイトル争い出来るバイクであることを確信出来ない限り、マルク・マルケスがタイトル争いが出来るメーカー(※現状であればDucati)に移籍したとしても不思議ではないだろう。

(Photo courtesy of HRC)