チェコGPの決勝結果です。チェコGP決勝はまさに大波乱のレースとなりました。スタート時の路面は乾きかけのウェットという状況の中、ほとんどの選手が前後ミディアムのレインタイヤを履いて出走。この中でリアにソフトを履いたのがマルケス選手とバルベラ選手。フロントにソフトを履いたのがアブラハム選手、バウティスタ選手、ミラー選手という状態。
レースは抜群のスタートでホールショットを奪ったマルケス選手がリードするかと思いきや、ロレンソ選手がトップとなります。ソフトのレインタイヤを履いたマルケス選手はペースが上がらず、2周目にしてごぼう抜きされる状況。2周目の終わりにマルケス選手は誰よりも速くピットインしてスリックタイヤを履いたマシンへと交換。結果的にこの判断が当たり、一時20秒ほどの差を後続につける完全な独走となります。
その後は次々に選手達がピットイン。イアンノーネ選手はピットレーンでアレイシ・エスパルガロ選手と接触しそうになったためにピットレーンで転倒。これでアレイシ・エスパルガロ選手にはペナルティが下されます。その後Ducati勢もタイヤが終わってきたためにピットインを試みますが、マシンの用意が他のメーカーよりも遅く(ホンダは当初からスリックを用意していたところ、Ducatiはもう1台のバイクもレイン仕様で用意していたため、ドライに合わせてサスペンションや各種セッティングの変更のために、マシンの用意に時間がかかった)すぐにピットイン出来ません。
この状況でタイヤがボロボロになったロレンソ選手がピットインの指示を待てずにピットイン。この時点でレース2位を走行していたロレンソ選手はマシンをすぐに乗り換えられず、ピットレーンで待たされるという事態に。なお同じタイミングでピットインしたビニャーレス選手はすぐにマシンを乗り換え、最終的に3位を獲得しています。
その後ロッシ選手、ドヴィツィオーゾ選手、ザルコ選手がレインタイヤで走り続けますが、最終的に一番遅くピットインしたザルコ選手は、明らかにレインタイヤでの走行を引っ張りすぎたために、これが順位に大きく影響しました。マルケス選手は残り17周の時点でトップに立ち、後続に圧倒的な差を付けて余裕のゴール。これでチャンピオンシップにおけるポイント差を大きく広げました。
優勝はマルケス選手、2位にはペドロサ選手、3位ビニャーレス選手。4位は最終ラップにクラッチロー選手を交わしたロッシ選手、5位クラッチロー選手となりました。6位ドヴィツィオーゾ選手、7位ペトルッチ選手、8位アレイシ・エスパルガロ選手、9位ポル・エスパルガロ選手、10位ジョナス・フォルガー選手となりました。
なお、今回はライダーのダッシュボードシステムによって、各チームがダッシュボードで選手達にピットインのサインを出しているのがわかりましたが、選手によってはピットボードでコミュニケーションを取っているチームもありました。