ブレンボは、2002年に500ccクラス を置き換えて新設されたMotoGPの第23回大会となる今年にMotoGPに参戦する全22名のライダーに、2024年もカスタマイズされたブレーキシステムの供給を行う。
11チームはブレンボパーツが保証する高性能、信頼性、安全性を享受することとなり、これにはブレーキキャリパー、カーボンディスク、ブレーキマスターシリンダー、クラッチポンプ、パッドが含まれる。
2024シーズンに向けて、ブレンボの幅広い技術ソリューションは、各ライダーがそれぞれのライディングスタイル、トラック、レース戦略に最も適したブレーキシステムをカスタマイズできるように対応する。
今年はAPレーシングも5つのメーカーのうち3つ、合計22名中18名のライダーに最新のマルチプレートカーボン/カーボンクラッチ技術を供給する。なお、APレーシングはブレンボグループの一部だ。
ブレンボのモトGPブレーキシステム:事実と技術詳細
グリッド内の全ライダーは、2020年に発売されたMotoGPキャリパーであるGP4を使用する。このモノブロックアルミニウムキャリパーは、アルミニウムの一塊から加工され、ラジアルアタッチメントを採用する。
MotoGPに採用されるブレーキは、増幅システムにより、ブレーキトルクを増加させることができるため、ライダーはブレーキレバーに同じ圧力をかけた場合により大きな利益を得ることができる。
一方で、アンチドラグシステムのスプリングデバイスは残留トルクを減少させ、パッドとディスクが互いに接触するのを防ぎ、結果としてバイクがブレーキをかけていない際に減速することを防ぐ。
ディスクに関しては、ブレンボはチームにカーボンブレーキディスクの幅広い範囲を提供している。これらは5つの異なる直径で、それぞれ3つの材料仕様(フィン付き、ハイマス、標準)で、合計15のソリューションが存在する。
シーズン中、ほとんどのライダーは340mm直径のディスクを使用し、ハイマス(ハイエンド)と標準マス(ローエンド)の間で使用ディスクを変更する。ディスクの厚さは直径に関係なく8mmで、使用される直径と仕様によって重量は1kgから1.4kgの間で変動する。
全体として、前輪と後輪で、MotoGPブレーキシステムの重量は約5.5kgとなっている。なお、カーボンディスクの作動温度は250°から850°の間でなければならない。
Moto2およびMoto3でのブレンボのブレーキングシステム
ポルティマオとヘレスで行われたテストの後、ブレンボはMotoGPのマイナーカテゴリーでもブレーキシステムのリーダーとしての存在を確認した。
ベルガモに本拠を置くブレンボは、2024年に選手権に参戦する15のMoto2チームと13のMoto3チームの100%にキャリパーを供給し、約30%にスチールディスク、80%にブレンボパッド、90%にブレンボマスターシリンダー、そして約30%にマルケジーニホイールを供給している。
ディスクに関しては、Moto2およびMoto3のチームは、サーキットの厳しさに応じて、フィン付きスチールディスクまたは標準のいずれかを選択可能だ。両クラスとも、作動温度は100°から650°の間でなければならない。
Moto3ディスクは約0.5kg、Moto2ディスクは1.3kgとなる。キャリパーに関しては、ブレンボはMoto2とMoto3にも、MotoGP GP4キャリパーから派生したフィン付きキャリパーコンセプトを提供している。
全体として、前輪と後輪で、Moto2ブレーキシステムの重量は約6kg、Moto3ブレーキシステムは約4.5kgになる。
マルケジーニホイール
2024シーズンにおいて、11チーム中8チームがマルケジーニの鍛造マグネシウムホイールを使用している。ブレンボグループの一部であるマルケジーニのホイールは、フロントおよびリアでY型5本または7本のスポークを採用している。
マルケジーニのホイールは軽量であり、加速、方向転換、特にコーナー進入時やブレーキを掛ける際、最大60°の大きなロールアングルでコーナーを取り、コーナーからフルスロットルで出る際に利点をもたらす。
2024MotoGP ブレンボ ブレーキングシステムギャラリー
(Photo courtesy of brembo)