2024年MotoGPタイトル 最終戦で決定へ – カタルーニャGPに焦点
MotoGPタイトル争いは3年連続で最終戦で決着を迎えることとなったが、今年はバレンシアでの悲劇を受け、最終戦はカタルーニャで開催されることが決まった。ホルヘ・マルティンはフランチェスコ・バニャイアに対して24ポイントのリードを持って臨み、残り獲得可能なポイントは37だ。マルク・マルケスとエネア・バスティアニーニは年間総合3位の座を争っている。
カタルーニャGPのデータ
MotoGPの全ライダーと密接に連携しているブレンボのエンジニアによると、全長4.66kmのカタルーニャ・サーキットはブレーキ負荷が非常に高いコースのひとつだ。6段階評価で難易度は5とされ、10か所のブレーキングポイントで合計32秒間もブレーキを使用する。5か所のコーナーでは3秒以上のブレーキングが必要で、130メートル以上の制動距離が求められる場面もある。
新型キャリパーの発表
先週のミラノEICMA 2024にて、ブレンボは2025年から導入されるMotoGP用の新型キャリパーを発表した。このキャリパーは、競技での経験と情熱から生まれた技術革新で、極めて高温に耐える大型ブレーキパッドを搭載し、どんなシチュエーションでも安定したブレーキング性能を提供する。さらに、ブレーキエリアの増加と最適化された圧力により、ブレーキ効率が向上し、ライダーはより正確なコントロールが可能になる。熱の放散も強化されており、パッドの摩耗を抑え、長期間にわたって安定した性能を確保する。また、キャリパーとフットの固定距離を強化することで、剛性が向上し、安定性と精度がさらに高まる。
気温の変化という変数
5月に開催されたカタルーニャGPでは、アプリリアのアレイシ・エスパルガロがポールポジションを獲得し、スプリントレースでフランチェスコ・バニャイアが最終ラップで転倒したことで勝利した。決勝ではバニャイアが優勝し、2位にはマルティンが入った。両日とも気温は25°Cを超えていたが、今週末は17°Cを上回ることはないと予測されており、熱に苦しむマシンにとっては好条件となる可能性もある。
最も厳しいコーナー
カタルーニャ・サーキットで最も厳しいブレーキングポイントはスタート/フィニッシュライン後の第1コーナーだ。ここでMotoGPマシンは342km/hから103km/hまで5.2秒で減速し、292メートルの距離を進む中でライダーは6.9kgの力をブレーキレバーにかける。減速は1.5Gに達し、ブレンボのブレーキフルード圧力は14.8バール、カーボンディスクの温度は620°Cに達する。
アレイシ・エスパルガロのラストレース
2024年最終戦はアレイシ・エスパルガロがアプリリアで迎える最後のレースでもある。2017年からアプリリアに在籍し、2021年のイギリスGPで初の表彰台、2022年アルゼンチンGPでの初ポールポジションと優勝など、数々の「初」をチームにもたらした。2023年にはブレンボのレーシング部門を訪れ、「ブレーキングはMotoGPで最も驚異的なもののひとつで、減速の速度は加速以上に印象的だ」と語っている。
(Photo courtesy of brembo)