カタールグランプリがMotoGP世界選手権の開幕イベントとして再び帰ってきた。この伝統は2007年から続いており、2023年と2020年を除いて毎年開幕戦はカタールで開催されている。4年前、Covid-19パンデミックのため、Moto2とMoto3のみがロサイルでレースを行っているが、これは、Moto2、Moto3チームとライダーがグランプリの前週にテストのためにすでにカタールにいたための特例処置だった。
GPデータ
ブレンボの技術者たちは、全てのMotoGPライダーと密接に協力しており、5.38kmの長さを持つロサイル・インターナショナル・サーキットは、ブレーキに対して中程度の要求をするサーキットに分類されている。
1から6の難易度指数で、13のブレーキングポイントがあり、3つが中程度のカテゴリー、6つが低いカテゴリーに分類されていますにも関わらず、このサーキットは難易度指数3を獲得した。さらに、1ラップあたりの減速が160km/hを超えるブレーキングポイントは1箇所のみで、制動距離は200メートルを超える。
人工光とブレーキ
カタールグランプリは2004年から開催されているが、2008年からは夜間に人工光で照らされてレースが行われている。しかし、2006年4月にバレンティーノ・ロッシ、ロリス・カピロッシ、ケニー・ロバーツ・ジュニアが初期テストを行った際のレビューは褒められたものではなかった。
当時、ライトによる影の存在、光の低さ、ライトの光量不足の3つの問題が特定された。これらの問題は数ヶ月後に克服され、2008年3月9日、カタールグランプリは問題なく開催された。
夜間レースにより、観客は最も激しいブレーキングの瞬間に、通常は日中のレースの日光によって覆われるブレンボのカーボンディスクの白熱を見ることができる。日光がある場合、輝くディスクを目撃するためには、通常の温度よりも120°C以上温度を上げる必要がある。
最も厳しいターン
ロサイル・インターナショナル・サーキットでブレーキングシステムにとって最も挑戦的なターンは、1,068メートルの直線に続く最初のターンだ。MotoGPバイクは、346km/hから99km/hまで5.3秒で減速し、294メートルの距離をカバーするために、ブレーキレバーに5.2kgの荷重をかけ、ブレンボのブレーキ液圧力は11.2バールに達する
ウィングの革命
2015年のカタールグランプリは、エンジンと空力負荷を増加させるために設計された翼型プロファイルの導入という点で、それまでのドゥカティとは全く異なるデスモセディチGP15のデビューが特徴だった。GP15は、ドゥカティの現在の優位性の礎と考えられている。同年、ブレンボは、高質量ブレーキパッド用に特別に設計された重量級アルミニウムキャリパーを導入した。
カタールのモータースポーツ選手
カタールで最も称賛されるスポーツ選手は、2012年ロンドンオリンピックのスキート射撃で銅メダルを獲得したナッサー・アル・アッティヤだ。43歳の彼は主にオフロードレースドライバーとして知られており、ダカールラリーでの5回の勝利が証明している。彼の2015年の記憶に残る成果には、ミニでダカールラリーを制覇し、シュコダでWRC2世界選手権タイトルを獲得したことが含まれている。彼の両方の成功の共通点はブレンボのブレーキシステムだった。
(Photo courtesy of brembo)