開幕戦の舞台はチャン・インターナショナル・サーキット

2025年のMotoGPシーズンが、2月28日からタイ・ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで開幕する。例年は9月から11月にかけて開催されるアジア・オセアニアラウンドの一部として組み込まれるタイGPだが、今季はシーズンのスタートを飾る形となった。しかし、天候は例年と同様に高温多湿で、不安定な気候により突然の豪雨が発生するリスクもある。

チャン・インターナショナル・サーキットは全長4.554kmで、左コーナー5つ、右コーナー7つ、そして1kmに及ぶロングストレートを含むレイアウトが特徴だ。このコースはライダーとマシン、そしてタイヤにとっても過酷な条件を突きつける。

特にトラクションコントロールの設定が鍵を握る。リアタイヤのスリップを抑えなければ、過度な空転によるオーバーヒートが発生し、グリップ低下を招くからだ。

ピエロ・タラマッソ(ミシュランの二輪モータースポーツ責任者)

「2月のテストで、チャン・インターナショナル・サーキットが極めて厳しいトラックであることを再確認しました。このサーキットでのパフォーマンスには、適切なマシンセットアップが不可欠です。高温のアスファルトと長いストレートがタイヤに大きな熱負荷を与えるため、ミシュランは特別に強化されたタイヤを供給します。特に、ハードフロントタイヤと両リアタイヤは剛性を高めた構造を採用しています。この特別仕様により、タイヤ内部の温度上昇を抑えることができます」

タイGPでは、ミシュランのパートナーチームに対し、フロントタイヤにはシンメトリー構造のソフト・ミディアム・ハードの3種類、リアタイヤにはアシンメトリー構造のミディアムとソフトの2種類が供給される。また、ハードフロントと両リアタイヤには特別な強化構造が施されている。

さらに、雨天時にはMICHELIN Power Rainのソフトおよびミディアムコンパウンド(フロント・リアともに)を用意。これらもMICHELIN Power Slickと同様に、右側の強度を増した仕様となっている。

(Photo courtesy of michelin)