ミシュランは2年連続で、MotoGP™シーズン屈指の注目イベントである「ミシュラン・グランプリ・オブ・フランス2025」にタイトルスポンサーとして参画する。この大会はカレンダー第6戦として、ル・マンのブガッティ・サーキットで開催される。
2024年にスタートした3年契約の一環であり、フランス、そして特にル・マンとの深い歴史的結びつきを再確認する場でもある。クレルモン=フェランを拠点とするミシュランは、これまで幾多のモータースポーツの名勝負にその名を刻んできた。2025年大会は、直近のヘレスでファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハ)の活躍により高まった地元の期待感とともに、観客数の大幅増が見込まれている。

ブガッティ・サーキットとタイヤ選択
全長4.185kmのブガッティ・サーキットは、急制動と加速を繰り返す「ストップ&ゴー」型レイアウトで知られ、右コーナー9つ、左コーナー5つという構成により、特にリアタイヤの右側に強い負荷がかかる。ただし、路面は比較的滑らかでコース全体の負担は中程度であることから、ミシュランは今年も「今季最もソフトな構成」でタイヤを供給。春季で最高気温が22°Cを超えないと予想される中、迅速なウォームアップと即効性のあるパフォーマンスが求められる。
2025年タイヤ構成
- ミシュラン・パワースリック(ドライ用)
- フロント: ソフト/ミディアム/ハード(すべて対称構造)
- リア: ソフト/ミディアム(右側強化の非対称構造)
- ミシュラン・パワーレイン(ウェット用)
- ソフト/ミディアム(リアは右側強化の非対称構造)
この構成は、レース序盤からのアタックが鍵を握るル・マンにおいて、ライダーたちが立ち上がりから最大限のグリップを発揮できるよう設計されている。

ピエロ・タラマッソ氏(ミシュラン・モータースポーツ二輪部門マネージャー)
「ル・マン・サーキットは、技術チームにとって非常にやりがいのあるチャレンジです。極端に厳しいサーキットというわけではありませんが、安定したグリップ性能が不可欠で、ライダーがレースを通してリズムを保つためには、それが決定的な要素になります。また、朝と午後で大きく変化する気温に適応できることも、ここでのパフォーマンスの鍵です。2024年に投入したタイヤ割り当てが、性能面・安全面ともに非常に優れた結果を残したことから、2025年も全く同じ構成を選択しました。」
「収集したデータからも、ソフト重視の割り当てが、レース序盤からライダーに全開でプッシュさせることを可能にしていると確認できました。ル・マンのように、序盤でギャップが生まれやすいコースでは、これは特に重要な要素です。そして、このサーキットは何よりファンの熱狂的な雰囲気が唯一無二です。私たちは、最先端の技術によって支えられたトップレベルのレースをこれからも提供し続けたいと思っています。」
「これはMotoEにも同様に当てはまります。今週末開幕するこのカテゴリーでは、再生素材・リサイクル素材を非常に高い割合で使用した新世代タイヤを投入します。さらに、フロントタイヤには“Race to Vision”デザインが初めて採用されており、これはミシュランの持続可能なモビリティへの強い取り組みを象徴するビジュアルシグネチャーです。」
MotoE™開幕戦でも“持続可能性”を具現化
今大会は、FIM Enel MotoE™世界選手権の2025年シーズン開幕戦でもあり、土曜日に2レースが実施される予定だ。ミシュランは電動バイクカテゴリーの独占タイヤサプライヤーとして、過去最高比率の再生・リサイクル素材を使用した新型タイヤを初公開する。
- フロントタイヤ:再生・再利用素材比率 58%
- リアタイヤ:同 56%
この技術革新はMotoEの現場で培われたものであり、今後はミシュラン・モータースポーツ全体の活動や、さらに広く市販用タイヤラインアップへと段階的に導入されていく方針だ。
持続可能性 × パフォーマンス × 安全性
ミシュランは、モータースポーツを技術革新の加速装置として捉えており、「パフォーマンス」「安全性」「環境責任」を同時に満たす新たなソリューションの探求を続けている。今回のミシュラン・グランプリ・オブ・フランス 2025は、その姿勢を体現する場として、フランスの地元開催・世界最高峰のスポーツイベントとして、ミシュランの情熱・専門性・そして持続可能な革新力を結集させた象徴的な大会となる。
レーススケジュール概要
- 5月9日(金)
- フリープラクティス&「プラクティス」セッション
※上位10名がQ2に直接進出 - 5月10日(土)
- 午前フリープラクティス
- Q1:2名がQ2へ進出
- Q2:グリッド確定
- スプリントレース(13周):15:00開始
- 5月11日(日)
- 決勝レース「ミシュラン・グランプリ・オブ・フランス」(27周):14:00開始