スティーブン ・ オデンダール選手が3位表彰台! 尾野弘樹選手は 7 位完走も充実した内容。

2017 年 9 月 16 日 (土曜日)、FIM CEV Repsol Moto2 第五戦ヘレスサーキット大会の決勝レースが、スティーブン・オデンダール選手 (南アフリカ) 3番手スタート、 尾野弘樹選手 (日本) が4番手からのスタートで幕を開けました。 NTS Sportscode T.Pro と二人のライダーはマシンが週末を通し てよいパフォーマンスを発揮していたので、 それぞれに表彰台を狙ってのレースでした。 レースは午後1時に、 ライダーと路面を熱する強い日差しのもと スタート致しました。

オープニングラップで、スティーブンは1コーナーに入るところで3位スタートから5位に順位を落とし、マシンが接触しながら2コーナーに集団で進入していく際にはもう少しで転倒に巻き込まれてしまうという波乱からレースが始まりました。その序盤の混乱の中、カルダス選手とグラナード選手はスティーブンを含む後続から一歩抜け出し、2秒近いアドバンテージを形成していきました。1分43.7秒付近で集会を重ねるスティーブンでしたが、先行するトップ2台のマシンは1分43.6秒台。南アフリカンライダーのペースは若干及ばずも十分に表彰台を狙えるペースで走行。

ガルゾー選手を4周目に抜き、トゥルビック選手を8周目に交わし、残り9周でスティーブンは3位にマシンをねじ込みました。スティーブンとトップとの差は残念ながら序盤に形成された2秒ほどの差が依然としてあり、スティーブンとトップのタイム差がほとんど無い中でレースリーダーにアタックを仕掛けるだけ近づくことが出来ませんでした。NTSマシンもライダーも100%の力で走り良いラップライムを刻んでいたものの、今回のレースは残念ながら序盤に許したギャップを縮めることが出来ず致命的な差になるというパターンのレースでした。結果としてスティーブンは3位表彰台獲得でレースを終え、不満が残るレースながらも確実に16ポイントを獲得し、スティーブンもとりあえず表彰台を獲得できたことに最低限の仕事が出来たとコメントしています。

尾野選手については、週末を通して素晴らしいパフォーマンスを引き出してくれました。特に予選1回目で1分43秒668をたたき出し、3番手につけたこと。チームは尾野の初めての表彰台獲得を期待するに足る内容だっただけに、レース開始直後、スタートで大きくマシンがウイリーしてしまい9番手にまで順位を落としたことはとても残念です。そのうえで、トップ集団が視界に入る位置で安定したハイペースラップを重ね、最終的には我慢の走りで7位完走という順位までしか挽回できませんでしたが、尾野選手の今週末の内容は目を見張るものがありました。

最終的に合計17周のレースフィニッシュタイムはトップのカルダス選手から15秒遅れの7位完走なのですが、Moto2ルーキーとして今年初めてのアルバセテで迎えた開幕戦ではトップとのレースフィニッシュタイムの差が46秒だったことを見れば内容的にはとても充実したものとチームは評価しています。もちろん、ライダーもチームのレース順位が最も重要だということは認識していますが、例えばレースフィニッシュタイムという一つの指標に注目し内容を分析することで、その真価と内容を評価するというアプローチがあることも是非知って頂ければ幸いです。

#44 スティーブン ・ オデンダール選手コメント

(予選1回目6位、 2回目3位 : 総合予選結果 3 位 )

「今日のレースはトップを走るグラナード選手とカルダス選手と戦えるペースが自分にもあっただけに悔いが残りましたが、不運にも最悪のスタートで順位を落としてしまいました。ただその中で序盤の1、2コーナーでクレイジーな抜き方をしてきた他の選手たちに押し出されるような事態にならなかったのは幸いでした。冷静さを取り戻し、最初の数周はとても良いリズムで走れたのですが、トップ集団に追いつくまでには一歩足りませんでした。とはいえ、とりあえず表彰台を獲得できたことは良かったのですが、私たちには優勝が必要です。マシンについて、ハイスピードコーナーではとても良いフィーリングだったのですが、今回のレースでは低速コーナーでフロントのフィーリングに苦しみました。リアタイヤのフィーリングはとてもよく、その点は満足しています。総じて、この週末に私たちが達成した成果と進歩は嬉しいですし、次のレースではもっと強いパッケージで今期初優勝を目指して頑張りたいと思います。」

#76 尾野弘樹選手コメント

(予選1回目3位、 2回目6位 : 総合予選結果4位)

「スタート時の1速のクラッチミートまでは良かったのですが、2速にシフトアップした時にマシンがウイリーしてしまい9番手まで順位を落としてしまいました。週末を通してペースが良かったので、前のライダーに着いて行き、チャンスがあれば抜いて行こうと考えていましたし、レースのラップタイムは悪くなかったのですが、先行するライダーを抜くところまでは届かなかったです。残り4周までレースが進行したところで腕が上がってしまい、クラッチ操作が出来なくなってしまいました。後続を確認したところ十分なリードを保っていたので完走することに目標を切り替えて我慢のレースとなり、結果7位完走というレース結果になりました。マシンの状態は良く、レース中もタイヤが十分に残っていてレース後半にバトルを仕掛けることが出来ると感じていたのですが、重ねて自分の腕上がりの問題で5位、6位を目指してプッシュすることが出来ませんでした。いずれにせよ、今週末の予選結果を含めて自分にとっては自信につながりましたし、この調子で自分自身の初めてのmoto2シーズン、残りのレースで表彰台を狙っていきたいと思います。」

生田目將弘、 チームオーナーコメント

「今週末のパッケージはもっと上を目指せたポテンシャルがあったと思うのですが、まずは表彰台を獲得してくれたスティーブンとチームの頑張りに感謝したいと思います。また結果こそ7位でしたが、尾野が見せた成果と進歩は率直に称賛したいと思っています。残りのレースではスティーブンに優勝、そして尾野には表彰台獲得というまだ達成できていない目標を追求していきたいと思います。残すところアラゴン、そしてバレンシアの2大会になりましたが、引き続き頑張っていきますので応援して頂けたら嬉しいです。」


(Photo courtesy of NTS)

<NTS プレスリリース>