トプラック・ラズガットリオグル(ROKiT BMWモトラッドWorldSBKチーム)が、マニクール・サーキットで開催された2025年FIMスーパーバイク世界選手権第X戦で、前代未聞の1分34秒930を叩き出し、初のポールポジションを獲得。自身のライバル、ニコロ・ブレガ(Aruba.it Racing – Ducati)を抑え、フランスラウンドを完璧にリードする形となった。

■ セッション序盤:黄旗で混乱、ブレガが一時トップ

予選セッション序盤は、アンドレア・ロカテッリ(Pata Maxus Yamaha)とギャレット・ガーロフ(Kawasaki WorldSBK Team)のターン3での単独クラッシュにより、2度の黄旗が提示され波乱の展開に。ラズガットリオグルは最初の黄旗前に1分35秒662を記録し暫定トップに立つも、アレックス・ロウズ(bimota by Kawasaki Racing Team)が1分35秒446で更新。しかし、それをさらに上回る形でニコロ・ブレガが新ラップレコードを更新し、トップへと躍り出た。

■ ラズガットリオグル、前人未踏の1分34秒台でポール獲得

2回目のアタックで、ラズガットリオグルはまず1分35秒018を記録し再びトップに。続くラップでついに1分34秒930を叩き出し、マニクールのWorldSBK史上初となる1分34秒台に突入。この圧倒的な走りでポールポジションを確定させた。2番手にはブレガ、3番手にはサム・ロウズ(ELF Marc VDS Racing Team)が入り、フロントローを形成。

なお、ラズガットリオグルにとってはマニクールでの初ポールながら、同地ではすでに8勝を挙げている実績がある。BMWにとっては、マニクールでの3度目のポール獲得(ラヴァティ2020年、ガーロフ2023年、ラズガットリオグル2025年)であり、ドニントン(サイクス2019年、ラズガットリオグル2024年・2025年)に続く記録となった。

■ アレックス・ロウズは兄弟対決で敗れるも4番手、イアンノーネが好走

アレックス・ロウズは兄サムにフロントローを譲る形となったが、1分35秒446で4番手を確保。これは昨年のポール記録を下回る好タイム。前日金曜の苦戦から立て直したアンドレア・イアンノーネ(Team Pata GoEleven)が5番手、ルーキーのヤリ・モンテッラ(Barni Spark Racing Team)がわずか0.020秒差で6番手に食い込んだ。

■ ファン・デル・マルクがトップ10復帰、ヤマハ勢最上位はガードナー

モンテッラの後方にはチームメイトのダニーロ・ペトルッチ。マイケル・ファン・デル・マルク(ROKiT BMW Motorrad WorldSBK Team)は前半一時2番手につけるなど好調を見せ、最終的に8番手で予選を終えた。レミー・ガードナー(GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team)がヤマハ勢最上位の9位。アクセル・バッサーニ(bimota by Kawasaki Racing Team)が10位となり、ラズガットリオグルとの差を1秒以内にとどめた最後のライダーとなった。

■ バウティスタ&レイはトップ10落ち、ソフォーグルはペナルティで降格

アルヴァロ・バウティスタ(Aruba.it Racing - Ducati)は2回目のアタックでのみタイムを計測し、1分36秒256で14番手。ジョナサン・レイ(Pata Maxus Yamaha)が13位。