ファビオ・クアルタラロが、2026年の契約満了を前にヤマハに対して強いメッセージを発した。近年の低迷に対するフラストレーションを隠すことなく、ヤマハに“本気のV4マシン”を求める姿勢を明確にした。

ヤマハV4プロジェクトへの期待と懸念
ヤマハは長年にわたり直列4気筒エンジンを使用しており、現在MotoGPに参戦するメーカーの中で唯一直4を採用している。しかし今季からV4エンジンを搭載した新型プロトタイプの開発に本腰を入れている。今週末のマレーシアGPではアウグスト・フェルナンデスがワイルドカードでV4機に乗るが、ファクトリーライダーのクアルタラロはこの新型車に対し、現時点では期待よりも不満が大きいようだ。
彼はこのV4マシンについて「現行車より悪い」と語り、「すべての問題を解決するわけではない」と冷静に見ている。だが一方で、開発が進めば希望はあるとも述べており、焦点は来たるテストに移っている。
ファビオ・クアルタラロ
「自分には速いバイクが必要です。勝てるバイクが欲しいんです。毎回のセッション、スプリント、レースでトップ3からトップ5を争えるマシンが必要です。これは自分にとっては非常に明確な要求です。簡単ではありませんが、でもそれが必要なんです。何年も苦しんできましたから、次こそは“勝てるバイク”じゃなきゃダメなんです。」
「テストではバレンシアとセパンが最も重要になると思っています。バレンシアではまだ完成していないかもしれませんが、来年2月のセパンではほぼ完成形に近い仕様が出てくるはずです。そこで、自分が求めているものがバイクにあるかどうかを見極めたいと思います。」
ヤマハの命運を握るV4とファビオの去就
今ヤマハが直面しているのは、V4という技術的挑戦だけでなく、ファビオ・クアルタラロに戦闘力の高いパッケージを提供できるかどうかという問題でもある。2026年、クアルタラロは「戦闘力の有無」で今後の残留を判断すると言える。バレンシアのシーズン前テストとセパンテスト。ヤマハとファビオ・クアルタラロの未来は、この2回の走行とシーズンの内容にかかっている。
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。