
ハイサイドの絶望からライディングの再構築へ ビニャーレスが挑む”進化”のシーズンとKTMへの献身
2025年、マーべリック・ビニャーレスにとっては学びと再構築の1年となった。KTMへの順応に始まり、ザクセンリンクでのハイサイドによる負傷と、キャリアで最も困難な時期を経て、回復と精神的成長を果たした。過去のスタイルを見直し、2026年はホルヘ・ロレンソをテクニックコーチに迎えての新たなアプローチを実践。小さなトラックでの繊細なライディング練習を重ね、トップで戦うための進化を遂げつつある。サテライトのテック3で迎える新シーズンにも自信を深め、KTMというファクトリー全体への貢献を胸に、ビニャーレスは再び頂点を目指す。
マーべリック・ビニャーレス
「昨年は自分にとって良い経験でした。KTMで短い時間の間に多くを理解する必要がありました。残念ながらプレシーズンでフロントで走行することはできませんでした。バイクの理解は順調に進みスピードを発揮できました。カタールでは全力を尽くして良い結果を得ることができました。今年も同様にトップ争いを期待しています。」
「昨年は前後半にわけて考えることができると思います。前半はKTMを理解して成績を残したシーズン。ただ、ザクセンリンクでハイサイドをし、これで方を負傷しました。この後半からは回復のシーズンでした。回復は非常にタフで自分が行っている作業に対しての疑問も生じました。しかしこの空白期間をより万全の準備を整えるために使いました。メンタル面でも強くなったと思いますし、キャリアの中で最も辛い瞬間を乗り越えて強くなったと感じます。」
「KTMと共に早く復帰したいと思いましたが、オーストリアでの復帰は早すぎました。その後の復帰でも準備が出来ていなかったと感じましたが、KTMが自分をあえてバイクに乗せず回復を優先させてくれたのは助かりました。怪我に関してはRedBullのリカバリーセンターを頼りましたが、本当に素晴らしいプロセスで回復ができました。」
「KTMは自分にとって4つ目のメーカーですが、自分の属するブランドだと感じることが出来ています。レッドブルKTMというのは子供が夢見るブランドの1つですが、ここに所属することが出来たのは嬉しいです。このKTMのプロジェクトにおいてしっかりと貢献していくことが重要ですが、こうしたプレッシャー、責任は楽しいですし、全力を尽くしていきたいと思います。」
「2026年の自分のチームは少し変わっています。特にトレーニングを変えています。今まではフィジカルの強さに重点を置いていましたが、バイクのテクニックに関しては重視してきませんでした。そこで今年はホルヘ・ロレンソをバイクを操る上でのテクニックコーチとして迎えています。今シーズンにアプローチする方法としては今までと全く異なっています。バイクを乗ることに関して、大きなトラックだけでなく小さなトラックでも走行を重ねており、スムーズにアグレッシブに正確にライディングをする練習をしています。MotoGPバイクというのはアグレッシブに乗ることが必要ながらも正確さが必要です。」
「これは本当に難しいことで、アグレッシブに乗り始めると正確性が失われてしまうんです。ですから、最大でプッシュしつつも正確性を失わないような練習を続けています。このトレーニングが役に立つと感じますし、この準備期間の中でホルヘと準備を進めている今と過去の違いを大きく感じています。トップレベルで戦う中ではその段階から進化するにはやり方を変えなければいけないんです。」
「今までずっとファクトリーチームでしたから、サテライトチームで走ることはどういうことかわかっていませんでした。しかしテック3 では初日から全て完璧でした。メカニック、クルーチーフ、すべてのチームが機能していますし、テンションがかかる時でもスムーズに作業が進んでいます。今年は優勝のプレッシャーがかかる瞬間で自分たちがどう動けるか興味がありますが、自信があります。KTMとの繋がりも深いですし全体が1つのチームとして進んでいます。所属チームに関わらずKTMというファクトリーに貢献できる感触が好きです。異なるライダーが良いアイディアを持っている際に、互いにそれを利用できる関係性があるので、素晴らしいですね。」
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。