スピード、イタリアン・エクセレンス、そしてルネサンスの融合

2025年MotoGP第9戦イタリアGPが、ムジェロ・サーキットで開幕を迎える。年間カレンダーの中でも屈指の名物イベントであり、ドゥカティファンにとって最も重要な週末だ。現在すべてのランキングでトップに立つドゥカティ・レノボ・チームは、自国開催のレースに大きな期待を寄せて乗り込む。

このムジェロでは、2022年から3年連続でフランチェスコ・バニャイアが優勝を飾り、ドゥカティにとっても2017年以降6勝を挙げている縁起の良い舞台だ。過去の勝者には、2017年アンドレア・ドヴィツィオーゾ、2018年ホルヘ・ロレンソ、2019年ダニロ・ペトルッチが名を連ねる。

前戦アラゴンで完璧な走りを見せ、テストでも順調な仕上がりを見せたマルク・マルケスは、今回がイタリアファンの前でドゥカティ・レノボ・チームのカラーを纏って走る初めてのレースとなる。プレミアクラスでのムジェロ勝利は2014年の1度きりだが、今年は再び主役に名乗りを上げる構えだ。

フランチェスコ・バニャイアは、アラゴンGPで再び表彰台を獲得し、ホームレースでの4連覇を視野に入れている。熱狂的なファンの後押しを受けて、ランキング上位陣とのポイント差を詰め、連覇記録の維持を狙う。

また、今回の決勝とウォームアップでは、特別カラーリングのデスモセディチGPが登場。イタリア・ルネサンスを象徴する芸術と思想の融合をテーマに、レオナルド・ダ・ヴィンチの「ヴェッキオ・コンドッティエーロ」とニッコロ・マキャヴェッリの「ダークサイド」がモチーフとなる。ドゥカティの象徴たるマシンが、芸術とスピードの融合体としてサーキットを駆け抜ける。

初日のフリー走行は、6月20日(金)午前10時45分(現地時間)に開始予定。サーキット内のコレンタイオに設けられた「ドゥカティ・グランドスタンド」では、ドゥカティスタたちがスピードと情熱、アドレナリンを直接体感できる。

マルク・マルケス

「「自分にとって、ドゥカティ・レノボ・チームのカラーでムジェロを走るのは今回が初めてです。多くのドゥカティファンの前で走れるのは、間違いなく素晴らしい気持ちになると思います。ムジェロはコースレイアウトや長いストレートがデスモセディチGPのパフォーマンスを最大限に引き出してくれるサーキットです。イベントも多く、忙しい週になりますが、自分たちならやれると思っています。前戦はほぼ完璧な内容でしたが、ここで同じような結果を出すのは簡単ではありません。それでも、自分たちは良い状態にあるので戦えると思います。」

フランチェスコ・バニャイア

「自分はこのコースが大好きですし、ここ数年は非常に速くて競争力のある走りができていたので、早く走り出したい気持ちです。それに加えて、ムジェロでの応援や雰囲気は特別なもので、間違いなく胸が高鳴ります。ムジェロは世界で最も美しいサーキットのひとつで、息をのむようなセクションやコーナーの連続があります。チーム全体で懸命に取り組んでいますし、前戦で表彰台に戻れたのは非常に重要な結果でした。ここでは全力を尽くします。」