2位表彰台で締めくくったオデンダール選手、トラブルで10位完走、 我慢の最終戦、 尾野弘樹選手。

2017年11月19日(日曜日)、スティーブン・オデンダール選手(南アフリカ)と尾野弘樹選手(日本)は2017年FIMCEVRepsolMoto2選手権最終戦、リカルド・トルモ・バレンシアサーキットに挑みシーズンを締めくくった。南アフリカ人は5番手グリッドから良いスタートを決め、来季2018年はチームメイトとなるジョー・ロバーツ選手と共にトップ争いをし、後続を率いた。二人のトップバトルは10分の1秒を争う大接戦となり、観客はすべてのコーナーで熱いバトルを繰り広げる二人の接近戦に大いに興奮。

合計19周で競われた決勝レースが残り9周となったところでチャンピオン争いをしているE.グラナード選手に追いつかれ、スティーブン、ジョー、グラナードの3台によるトップ争いとなった。最終ラップの第4コーナーで、スティーブンはジョー・ロバーツをギリギリのところで抜き、2位に浮上。そのまま優勝こそ逃したものの、価値のある2位表彰台を獲得して今シーズン最終戦となるバレンシアを締めくくった。年間ランキングでスティーブン・オデンダール選手は3位。

他方の日本人、尾野弘樹選手はレース前のウォームアップ走行に引き続き、レース本戦においてもフロントのバイブレーションを解消させることが出来ず我慢のレースとなった。Moto2初年度ながも大いなるポテンシャルと手応えを随所で残してきた尾野選手にとってはストレスの溜まるレースとなった。彼のポテンシャルを観客に見せるのではなく、マシンをゴールまで無事に戻すことを優先せざるを得ない状況であったからだ。尾野選手にとっても本来の走りから1秒半以上遅い1分39秒台というスローペースで周回させることが精一杯。何とか10位完走を果たし、6ポイントを加算しつつ年間ランキング8位を獲得しシーズンを終えた。

#44 スティーブン ・ オデンダール選手コメント

2位表彰台獲得!2017年度年間ランキング3位獲得!
「自分にとってはうまくいった週末だったと思います。総じて私たちは重要な目標を達成できたのではないかと思っています。もちろん、良い流れで確実なセットアップの進歩が得られたのでレースで勝利できればなお良かったのですが、この週末はもちろん、一年を通して開発が大きく進んだこと、そしてNTSが明らかなステップアップを果たしていると実感できること、2018年度も世界グランプリという大きな舞台で引き続きこのプロジェクトに関われること、素晴らしいことだと思います。この場を借りてNTS、そしてメカニックやスポンサーさんを含む本プロジェクトに関わったすべての人にお礼を言いたいです。」

#76 尾野弘樹選手コメント

10 位完走 2017 年度ランキング8位獲得!
「決勝は10位で終えました。序盤からフロントにバイブレーションが出て何度か転びそうになったので、完走することを一番に考えペースを落としてレースを組み立てるしかなく、最後のレースを走り切りました。ウィークを通してセッティングを詰め切れなかったのが悔やまれます。今年一年経験させて頂いたことを出し切って、新たな舞台でこれを活かせるように頑張っていきたいと思います。支えてくれたすべての人に心からお礼を言いたいです。有難うございました。」

生田目將弘チームオーナーコメント

「マシン開発と年間チャンピオンの獲得を目指してライダー、チームと共に最善を尽くしました。オデンダール選手が年間ランキング3位、尾野選手が8位という結果でヨーロッパチャンピオン獲得の目標は達成できませんでしたが、車両開発という観点では大きな進歩を遂げることができ、結果として来年は世界グランプリ選手権へと戦いの舞台を移すことが出来るまでに車両のポテンシャルを昇華させることが出来ました。これもここまで様々な形でNTSを支えてくれた皆様のお陰だと思っています。本当に有難うございました。」

<NTS プレスリリース>