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SBK第5戦イモラ レイとバウティスタの差はどこで生まれたのか?

イモラで遂に初優勝を遂げた遂げたジョナサン・レイ、連勝記録が11で途絶えたアルヴァロ・バウティスタ。この2選手のイモラにおける走りを比較します。比較するのはレース1のセクター1からセクター4で、その中で両者の差がどう生まれたのかを分析していきます。

イモラのレース1は全19周で争われましたが、優勝したレイと2位バウティスタの差は7.832秒で、レイがぶっちぎりの優勝を遂げました。なお、イモラは過去レイが得意としているトラックで昨年も両レースで優勝しており、バウティスタにとっては初めてレースを行うトラックとなりました。Aruba.itチームは事前にテストを行っていますが、この時バウティスタがドライコンディションで走行出来たのは2時間程度でした。

セクター1比較


さて前置きが長くなりましたが、セクター比較をしていきましょう。まず、セクタ−1です。セクター1はスタート後に最初のシケインを抜けた後に短い直線部分が繋がるセクターで、バウティスタが全周回でレイより0.2秒ほど速いタイムです。
 

セクター2比較


続くセクター2はシケインに続いて複合コーナーのターン7があり、ターン8、ターン9に向けて車体が斜めの状態で加速していく形となります。ターン9立ち上がりからターン10、11にかけても癖のある形で、ここではレイがバウティスタを圧倒。0.2秒ほど全周回でバウティスタより速いペースで走っています。

 

セクター3比較


セクター3はターン12の後に短い直線区間を挟み、シケイン。ターン16、ターン17に向けて再び車体が斜めの状態で加速を続ける形。ここでは両者の差は0.1秒ほどですが、確実にレイとバウティスタの差が広がっていきます。
 

セクター4比較


セクター4はセクター3のターン17から抜けた後のターン18、ターン19を抜けた後に最終シケインがあり、再び車体が斜めの状態で加速しながらターン1に向かって行きますが、ここでもレイがバウティスタに対して0.4〜0.5秒リードを築いています。
 

セクター2、4で大きな差が発生

レイとバウティスタのタイム差を眺めると、特にセクター2とセクター4における差が顕著であり、非常にテクニカルなセクター2、そしてシケインが待ち構えることから強力なエンジンパワーを活かしにくいセクター4で大きな差が生まれています。一方のセクター1は比較的ストレートで構成される部分が多いセクターであること、シケインも他のシケインほど鋭角ではないことなどから、スピードを活かしたままクリア出来るセクターと言えます。
 

初めて走るイモラで表彰台獲得したバウティスタ 来年もレイは勝利出来るか?

レイはイモラはライダーが違いを生み出すトラックだと語っていますが、非常に特殊なレイアウトなトラックであること、バウティスタにとっては参戦初年度で初めて走るコースであったこと加味すると、連勝記録をさらに伸ばすことが期待されていたバウティスタの連勝記録が途絶えた事を残念がるより、初めてのトラックでいきなりレース1で2位、スーパーポールレースで3位表彰台を獲得したことが讃えられるべきでしょう。

なお、タイヤの違いによる差という意味では、レイは今回ピレリが持ち込んだ新型のY0446ビッグサイズソフトタイヤをリアに使用。バウティスタは、今までも使用してきたスタンダードSC0を使用しています。

来年このサーキットでもバウティスタがレイには勝てないのか、それともレース経験を積んだバウティスタが巻き返せるのかは気になるポイントです。なお、次回のヘレスはバウティスタもMotoGPクラスで何度も走行しているサーキットですし、彼の地元でもあります。ここからレイがバウティスタと激しいバトルを繰り広げていくことが出来るのか、それともレース経験の差でバウティスタがイモラで破れただけなのかなど、ヘレスのレースは色々な見方が出来るでしょう。

(Photo courtesy of Ducati)

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