サンファン・ビリクムで開催された日曜のレースで、5度のタイトル獲得を既に決めているカワサキのジョナサン・レイが、スーパーポールレース、レース2を制し2連勝を記録した。

レース1で2位を獲得した後、レイは彼がチャンピオンであることを証明する走りを披露した。WSSPクラスではJules Cluzelがこのトラックで2年連続で優勝。Federico Caricasuloが5位、Randy Krummenacherは7位となり、タイトル争いは最終戦カタールにもつれ込むこととなった。

ピレリにとってはスタンダード、デベロップメントソリューション両方で高いパフォーマンスを発揮した週末となった。アルゼンチンはタイヤにとって要求が高いレイアウトではないが、路面に吹き付けた砂によって昨年以上にコンディションが悪化。こうした路面コンディションと高い気温によって、グリップが低下、さらにタイヤの摩耗が加速することとなった。

こうした厳しいコンディションに関わらず、ライダーが選択したタイヤはレースを完走することを可能としただけでなく、数々のオーバーテイクを実現した。これがピレリが持ち込んだタイヤの高い信頼性を表していると言える。

スーパーポールレース

スーパーポールレースで優勝したのはジョナサン・レイで、リアタイヤをX1351 SC0デベロップメントタイヤからスタンダードSC0に変更した。3番グリッドから良いスタートを切ったレイは、1周目からレースをリード。そのままポジションを変えることなくレースを終えた。アルヴァロ・バウティスタはポールポジションスタートを活かすことが出来ず、2秒以上離されて2位で完走した。3位はレース1同様にラズガトリオグルとなった。その後ろにはデイビス、ロウズ、ファン・デル・マークが続いた。

スーパーポールレース結果

1) J. Rea (Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)
2) Á. Bautista (Aruba.it Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)
3) T. Razgatlioglu (Turkish Puccetti Racing / Kawasaki ZX-10RR)
4) C. Davies (Aruba.it Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)
5) A. Lowes (Pata Yamaha WorldSBK Team / Yamaha YZF R1)
6) M. Van Der Mark (Pata Yamaha WorldSBK Team / Yamaha YZF R1)
7) S. Cortese (GRT Yamaha WorldSBK / Yamaha YZF R1)
8) L. Haslam (Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)
9) T. Sykes (BMW Motorrad WorldSBK Team / BMW S1000 RR)
10) L. Mercado (Orelac Racing VerdNatura / Kawasaki ZX-10RR)
11) J. Torres (Team Pedercini Racing / Kawasaki ZX-10RR)
12) L. Camier (Moriwaki Althea Honda Team / Honda CBR1000RR)
13) E. Laverty (Team Goeleven / Ducati Panigale V4 R)
14) M. Rinaldi (Barni Racing Team / Ducati Panigale V4 R)
15) M. Melandri (GRT Yamaha WorldSBK / Yamaha YZF R1)
16) A. Delbianco (Althea Mie Racing Team / Honda CBR1000RR)
17) M. Reiterberger (BMW Motorrad WorldSBK Team / BMW S1000 RR)
18) R. Kiyonari (Moriwaki Althea Honda Team / Honda CBR1000RR)
RT) L. Baz (Ten Kate Racing – Yamaha / Yamaha YZF R1)

WSBKレース2

レース2ではレイがポールポジションからスタート、スプリントレース同様のタイヤを選択し7周目までレースをリード。その後2番手からスタートしたバウティスタがレースをリードする。しかしレイは次の周回でリードを奪い、そのまま完走して優勝。

レース中盤にはデイビスがレイとバウティスタの後ろにつけ、11周目にバウティスタをオーバーテイク。数周バトルが続いたが、デイビスのペースのほうが上回り、バウティスタはラズガトリオグルにもオーバーテイクされる。最終的にレイはさらにリードを広げ、5秒以上の差をつけて優勝。2位にデイビス、3位にラズガトリオグルとなった。

WSBKレース2結果

1) J. Rea (Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)
2) C. Davies (Aruba.it Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)
3) T. Razgatlioglu (Turkish Puccetti Racing / Kawasaki ZX-10RR)
4) M. Van Der Mark (Pata Yamaha WorldSBK Team / Yamaha YZF R1)
5) Á. Bautista (Aruba.it Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)
6) A. Lowes (Pata Yamaha WorldSBK Team / Yamaha YZF R1)
7) E. Laverty (Team Goeleven / Ducati Panigale V4 R)
8) L. Mercado (Orelac Racing VerdNatura / Kawasaki ZX-10RR)
9) J. Torres (Team Pedercini Racing / Kawasaki ZX-10RR)
10) L. Haslam (Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)
11) M. Rinaldi (Barni Racing Team / Ducati Panigale V4 R)
12) L. Baz (Ten Kate Racing – Yamaha / Yamaha YZF R1)
13) L. Camier (Moriwaki Althea Honda Team / Honda CBR1000RR)
14) M. Melandri (GRT Yamaha WorldSBK / Yamaha YZF R1)
15) S. Cortese (GRT Yamaha WorldSBK / Yamaha YZF R1)
16) M. Reiterberger (BMW Motorrad WorldSBK Team / BMW S1000 RR)
17) R. Kiyonari (Moriwaki Althea Honda Team / Honda CBR1000RR)
RT) A. Delbianco (Althea Mie Racing Team / Honda CBR1000RR)
RT) T. Sykes (BMW Motorrad WorldSBK Team / BMW S1000 RR)

WSSPレース

午後2:15にWSSPのレースが開催され、フランス人のCorentin Perolariがポールポジションからスタート。しかし2周目にJules Cluzelがトップに立ち、そのまま優勝を果たした。2位はCorentin Perolari、Lucas Mahias、Federico Caricasuloが争う形となった。一方でチャンピオンシップをリードしていたRandy Krummenacherはこの日7位と苦戦。最終的に2位を獲得したのはLucas Mahias、3位Isaac Viñalesとなった。Corentin Perolariは4位、Federico Caricasuloが5位となった。

WorldSSPレース結果

1) J. Cluzel (GMT94 Yamaha / Yamaha YZF R6)
2) L. Mahias (Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-6R)
3) I. Viñales (Kallio Racing / Yamaha YZF R6)
4) C. Perolari (GMT94 Yamaha / Yamaha YZF R6)
5) F. Caricasulo (Bardahl Evan Bros. WorldSSP Team / Yamaha YZF R6)
6) R. De Rosa (MV Agusta Reparto Corse / MV Agusta F3 675)
7) R. Krummenacher (Bardahl Evan Bros. WorldSSP Team / Yamaha YZF R6)
8) T. Gradinger (Kallio Racing / Yamaha YZF R6)
9) K. Smith (Team Pedercini Racing / Kawasaki ZX-6R)
10) A. Badovini (Team Pedercini Racing / Kawasaki ZX-6R)
11) P. Sebestyen (CIA Landlord Insurance Honda / Honda CBR600RR)
12) H. Okubo (Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-6R)
13) C. Stange (GEMAR – Ciociaria Corse WorldSSP Team / Honda CBR600RR)
14) L. Cresson (Kallio Racing / Yamaha YZF R6)
15) H. Soomer (MPM WILSport Racedays / Honda CBR600RR)
16) J. Danilo (CIA Landlord Insurance Honda / Honda CBR600RR)
17) J. Van Sikkelerus (MPM WILSport Racedays / Honda CBR600RR)
18) G. Van Straalen (EAB Racing Team/ Kawasaki ZX-6R)
19) D. Valle (MS Racing / Yamaha YZF R6)
20) A. Coppola (Team Toth / Yamaha YZF R6)
21) R. Hartog (Team Hartog – Against Cancer / Kawasaki ZX-6R)
22) F. Fuligni (MV Agusta Reparto Corse / MV Agusta F3 675)
23) G. Sconza (GEMAR – Ciociaria Corse WorldSSP Team / Honda CBR600RR)

WSBK、WSSPレースで使用されたタイヤ


スーパーポールレースではレース1から多くのライダーがタイヤを変更。フロンtのはスタンダードSC1 125/70(オプションA)が最も使用されたタイヤで、19名中12名がこのタイヤを使用。レイ、ラズガトリオグル、デルビアンコ、キャミア、ハスラム、清成、レイテルバーガーがX1071 SC2デベロップメントタイヤ(オプションB)を使用。リアに関しては17名以上がスタンダードSC0 200/65(オプションC)を使用した。デルビアンコ、トーレスのみがX1351 SC0デベロップメントタイヤ(オプションB)を使用している。

レース2ではスーパーポールレースと同様のタイヤを使用したライダーもおり、レイ、ラズガトリオグル、ロウズ、ファン・デル・マーク、サイクス、トーレス、レイテルバーガーはタイヤを変更していない。

WSSPレースではフロントに全てのライダーがスタンダードSC1(オプションA)を使用。リアにはスタンダードSC0(オプションA)が使用された。

スーパーポールレースにおけるデータ

・PIRELLI BEST LAP AWARDはジョナサン・レイが獲得。タイムは3周目に記録した1’37.462
・最も使用されたフロントタイヤはスタンダードSC1 125/70(19名中12名)
・最も使用されたリアタイヤはスタンダードSC0 200/65(19名中17名)
・最高速度はアルヴァロ・バウティスタが5周目に記録した313 km/h
・気温19℃
・路面温度30° C

レース2におけるデータ

・PIRELLI BEST LAP AWARDはチャズ・デイビスが獲得。タイムは13周目に記録した 1’38.034
・最も使用されたフロントタイヤはスタンダードSC1 125/70(19名中11名)
・最も使用されたリアタイヤはスタンダードSC0 200/65(19名中13名)
・最高速度はアルヴァロ・バウティスタが4周目、チャズ・デイビスが11周目に記録した312.1 km/h
・気温21℃
・路面温度44° C

WSSPレースにおけるデータ

・PIRELLI BEST LAP AWARDはLucas Mahiasが獲得。タイムは10周目に記録した 1’42.606
・最も使用されたフロントタイヤはスタンダードSC1(23名中23名)
・最も使用されたリアタイヤはスタンダードSC0 (23名中23名)
・最高速度はIsaac Viñalesが13周目に記録した271.4 km/h
・気温20℃
・路面温度41° C

(Source: Pirelli)

(Photo courtesy of Pirelli)