2025年10月18〜19日に開催されるMotoGP第17戦オーストラリアGP(フィリップアイランド)に向けて、ピレリはMoto2クラスに通常よりもハード寄りのリアタイヤ2種類を投入することを発表した。高い路面摩耗性と、特に左側に負荷が集中するフィリップアイランド特有のレイアウトに対応するための措置である。

Moto2:D0922とSC3、2種類のハード寄りリアを提供

Moto2ライダーには、今年のドイツGP(ザクセンリンク)で全ライダーが選択したD0922リアタイヤ(デベロップメントスペック)と、DIABLO Superbikeレンジの標準ハードコンパウンドSC3の2種類が提供される。

  • D0922(デベロップメントスペック):ミディアムに分類されるが、コンパウンドは標準SC1よりやや柔らかく、ソフトとミディアムの中間に位置。構造もSC1とは異なり、安定性と性能の持続性向上を狙った設計。昨年使用されたD0532の進化版とされる。
  • SC3(スタンダードハード):より摩耗耐性の高いコンパウンドを使用し、特に摩擦の激しい路面に適している。

この2つの選択肢により、ライダーはサーキットの特性に応じた戦略的なタイヤ選択が可能となる。

Moto3:昨年同様の標準タイヤを継続使用

一方、Moto3クラスに関しては、車両の出力が抑えられていることから、昨年と同様に前後ともにSC1(ソフト)およびSC2(ミディアム)の標準コンパウンドを継続使用する。昨年のオーストラリアGPでは、SC2が前後ともに最も多く使用された実績がある。

ピレリ モーターサイクル・レーシングディレクター ジョルジオ・バルビエ

「フィリップアイランドは、世界選手権カレンダーの中でも最もタイヤに厳しいサーキットの一つです。昨年の再舗装により、その傾向はさらに強まりました。特に左側のタイヤは、強い熱的・機械的ストレスに常時さらされます。最大バンク角ではドリフトによる横方向のねじれも加わり、非常に複雑な負荷がかかります。このような特性を考慮し、Moto2には摩耗耐性に優れた2種類のリアタイヤを用意しました。Moto3に関しては、標準タイヤで十分に対応できると判断しています」

Moto2 リアタイヤ構成:

  • D0922(デベロップメントミディアム)
  • SC3(標準ハード)

Moto3 フロント/リア構成:

  • SC1(ソフト)
  • SC2(ミディアム)