FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)はその舞台をフランスに移し、マニクールサーキットで最後の2戦の1戦目を迎える。タイヤはスタンダードタイヤ、デベロップメントタイヤに加えて、WorldSBKクラスでは新しいレインタイヤが投入され、WorldSSPではスタンダードソリューションのみが使用可能。

今年も残すところ2戦となり、既にチャンピオンが決定したWorldSSPに続いて、WorldSBKクラスとWorldSSP300クラスでもチャンピオンが決定する可能性がある。WorldSBKではジョナサン・レイがチャンピオンシップ首位となり、2位のスコット・レディングとの差は51ポイントとなる。つまり今週末の戦いでジョナサン・レイは6年連続となるタイトル獲得の可能性がある。

WorldSSP300ではタイトル争いは多くの選手に可能性が残されており、カワサキのJeffrey Buis、Scott Deroue、Bahattin Sofuogluに優勝の可能性がある。


マニクールは1960年に誕生したサーキットで、全長は4,411m、9つの右コーナーと8つの左コーナーが存在する。コーナーは最少で5Rのものから、バラエティーに富み、ストレート長は250mだ。最大勾配は上り坂で2.38%、下り坂で2.68%だ。

トラックの特徴として急激な減速と再加速が必要となり、短めのストレート、高低差の大きさが挙げられる。ヘアピンコーナーはヘビーブレーキングが必要な箇所の1つだ。

アスファルトはスムーズで路面のグリップは中程度。そのため気温が下がった場合、雨が降った際のグリップは低い。ダウンヒルの最中にブレーキが必要な箇所もあるため、こうした箇所ではフロントタイヤに過大なストレスがかかることになる。

WorldSBK、WorldSSPクラスのタイヤ

WorldSBKクラスではレインタイヤを含めて5本のフロント、7本のリアタイヤが使用可能だ。

スリックフロントはスタンダードSC1ソフトコンパウンド、スタンダードSC2ミディアムコンパウンド、そしてデベロップメントSC1 Y1231で、このタイヤはライダー達がウインターテスト、シーズン序盤のヨーロピアンラウンドで使用したもの。

スタンダードSC1よりソフトなコンパウンドで、さらなるグリップと接地感を得られる。構造的には横方向の力が加わった時にさらなる推進力を発揮するもの。

リアタイヤに関しては全部で7種類のタイヤが存在する。スタンダードSCXのスーパーソフト、今シーズン最も多く使用されているスタンダードソフトコンパウンドのSC0、デベロップメントY0966のミディアムコンパウンドは接地面を増やした設計で、スタンダードSC1より高い性能を発揮する。

さらに新しいレインタイヤとなるデベロップメントX1251が初めて投入される。これはウェット状況でさらにグリップを発揮するコンパウンドを使用し、気温が低いコンデイションで最適なタイヤだ。
(※残りの3種類はエクストラソフトの予選タイヤ、インターミディエイト、従来のレインタイヤ)

フロント:WorldSBKライダー1名ごとのスリックタイヤ割当て本数

オプションA/SC1 SOFT Y1231/6本
オプションB/SC1 SOFT STANDARD/10本
オプションC/SC2 MEDIUM STANDARD/8本

リア:WorldSBKライダー1名ごとのスリックタイヤ割当て本数

オプションA/SCX SUPERSOFT STANDARD/6本
オプションB/SC0 SOFT STANDARD/10本
オプションC/SC1 MEDIUM Y0966/6本
オプションQ/QUALIFIER EXTRASOFT X0684/1本

WorldSSPクラスでは2種類のフロントタイヤが使用可能で、スタンダードソフトSC1と、スタンダードミディアムSC2となる。リアも2種類でソフトコンパウンドのSC0とミディアムコンパウンドのSC1だ。加えてインターミディエイト、レインタイヤが使用可能となる。

フロント:WorldSSPライダー1名ごとのスリックタイヤ割当て本数
オプションA/SC1 SOFT STANDARD/9本
オプションB/SC2 MEDIUM STANDARD/9本

リア:WorldSSPライダー1名ごとのスリックタイヤ割当て本数
オプションA/SC0 SOFT STANDARD/9本
オプションC/SC1 MEDIUM STANDARD/7本

(Source: Pirelli)

(Photo courtesy of Pirelli)