KTMはMotoGPクラス唯一のスチールトレリスフレーム、WPサスペンションを採用し、参戦から4年でMotoGP優勝を手にした。初優勝を達成したのは、KTMがRed Bull MotoGPルーキーカップ、Moto3、Moto2を通じて育ててきたKTMの秘蔵っ子であるブラッド・ビンダーだ。KTMはロードレースにおいては目立った実績がなく、MotoGP参戦を発表した当初は無謀という声も少なくなかった。優れたエンジニアリング、ミカ・カリオ、ダニ・ペドロサという優れたテストライダーの手によって仕上げられたRC16は、今後も表彰台争いに加わってくることは間違いない。
ブラッド・ビンダー

スチールフレームとWPサスペンションという独自のフィロソフィーで挑んできた

レースマネージャー マイク・レイトナー

「このトラックでは週末を通じて戦闘力を発揮出来ました。ライダー達も素晴らしいタイムで走行していましたから、良い結果を期待していました。ブラッド、ポルも素晴らしいペースでした。ミゲルも6位を獲得しましたし、これ以上にない週末になったと思います。2017年にこのプロジェクトを初めて多くの人が関わってきました。KTMとしてしっかりとして体制を構築してきましたし、ロードレースで結果を出している他のメーカーに対抗するために、しっかりとしたマインドで挑んできました。
マイク・レイトナー
「この3年間を振り返ると良いことも悪いこともありました。しかしそれが全て最高の形で結実したと言えるでしょう。ヘレス、そしてここでもフロントランナー達と接近出来ていることは明らかでした。ブルノは長くテクニカルなトラックで、KTMはスチールフレームとWPサスペンションという独自のフィロソフィーで挑んできました。このプロジェクトに関わってきた皆にとって最高の結果と言えるでしょう。プロジェクトに多大な投資をしてくれたKTMに最大の恩返しが出来たでしょう。彼らは100%我々を信頼してくれましたし、Red Bullも我々に全幅の信頼をおいてくれました。これからはホームGPへと向かうことになります。」

MotoGP初優勝は偶然ではない

モータースポーツマネージャー ピット・バイラー

「KTMにとって信じられないような1日でした。KTMとチームにとって歴史的な1日でしたし、ブラッド・ビンダーはKTMとこのプロジェクトを信頼して何年もともに歩んでくれました。今日今までのハードワークが報われました。今年は素晴らしいバイクが用意出来ているとわかっていましたし、この結果は偶然ではありません。」

新型バイクは過去数年の開発から出来上がったもので、ダニ・ペドロサ、ミカ・カリオ、そしてテストチームの開発の結果です。最終的に優勝を達成するためには素晴らしいライダーが必要なのですが、ブラッド・ビンダーが今日それを達成してくれました。ブラッド・ビンダーはMoto2、Moto3でも同じ形で結果を出してくれました。この結果からさらに勝利を積み重ねていきたいですね。そしてポル・エスパルガロと彼のチームもまた、このKTMのプロジェクトにおいて複雑なパズルを組み合わせ、プロジェクトを前進させてくれました。今日はチームの素晴らしい努力によって得られた結果です。」

MotoGPクラス優勝は簡単でないが不可能ではないと思っていた

KTM CEOステファン・ピエラ

KTMにとって歴史的な1日となった今日の感情を言い表すのは簡単なことではありません。まずブラッド・ビンダーは今日の優勝だけでなく、KTMを信じて長年共に歩んできてくれたわけで、そのことに感謝したいと思います。また今日の勝利まで献身的に作業をしてくれたポル・エスパルガロにも感謝したいと思います。」

「このプロジェクトを開始してからMotoGPクラスでの優勝という目標は変わらず、この目標を達成するのは簡単ではないが不可能ではないと思っていました。一歩ずつフロントに接近する中でいくつもの困難がありました。参戦4年目での初優勝は、KTMモータースポーツ部門とR&Dエンジニア達の働きの素晴らしさ、ノウハウの証明だと言えるでしょう。プロジェクトをリードしてくれたピット・バイラー、マイク・レイトナーに感謝したいと思います。」

我々のビジョンがライダーにとっても明確なトップステップへの道筋を示したと言え、ブラッド・ビンダーはRed Bull MotoGPルーキーカップ、Moto3、Moto2を通じてMotoGPクラスで素晴らしい結果を達成しました。レッドブル・リンクで、KTMの素晴らしい歴史を祝福することが出来るでしょう。」

(Source: KTM)

(Photo courtesy of KTM)