MotoGPチャンピオンシップで全てのMotoGPライダー達と密接に仕事をしているブレンボのテクニシャン達によると、 モトランド・アラゴンはブレーキに最も厳しいサーキットの1つで、難易度指数1〜5段階では4に該当し、今年の開催カレンダーの中では、ヘレスと同程度です。
8月の終わりにFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)の舞台となったアラゴンで、SBKバイクは最高速度が低いにも関わらずMotoGPバイクよりわずか2.2秒遅いタイムで走行しています。最初の2kmに7箇所のブレーキングポイントがありますが、これらの箇所はブレーキの冷却に役立ちません。スタートから最初のセクターの中でのスロットルオフでクリアしていくコーナーの連続がブレーキにとっては問題となります。
ブレンボのサムブレーキシステム
MotoGPライダーの3分の1以上がサムブレーキを使用しています。ブレンボが供給しているのは主に2タイプで、通常のタイプはサムブレーキとリアの2ピストンキャリパーとが繋がっているものです。
これはブレンボが1990年代に開発したもので、このタイプではサムブレーキとペダル操作の両方を同時に操作することが出来ません。つまりどちらかいずれかしか一度に使用できないタイプなのです。
しかしブレーキ経路が2つあるものは全く別で、リアの4ピストンキャリパーによってサムブレーキとペダル操作の両方を同時に行うことが可能となります。実際は、それぞれ片方の経路で、4つのピストンのうち2つを稼働させることになります。
アラゴンGPでのブレーキングについて
FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)同様に、MotoGPバイクも17のコーナーのうち11でブレーキを使用します。1周のうちにカーボンブレーキが使用されるのは33秒間、SBKのスチールディスクは31秒間です。レース全体でもMotoGPは31%、SBKでは28%をブレーキを使用するなどの違いがあります。
ブレーキレバーにかかる力では41.4kgでSBKが上回り。MotoGPの場合。レバーにかかる力は40.4kg、トラックの前半3箇所のブレーキングであるターン1、3、4、ターン8、ターン16のブレーキではMotoGPの数値が上回ります。
アラゴンで最もブレーキに厳しいセクション
アラゴンの11箇所のブレーキングポイントの中で2箇所がブレーキに厳しく、4箇所が中程度、残りの5つが軽度となります。FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)ではターン16が最も難しいセクションです。
ここは968mのストレートエンドで、バイクは337km/hから143km/hまで4.6秒で速度を落とします。ライダーはレバーに6kgの力を加え、減速Gは1.5Gです。この時のブレーキフルードの圧力は12.9barとなっています。
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(Source: Brembo)
(Photo courtesy of Brembo)