ヤマハ発動機株式会社は、MT-09をフルモデルチェンジして発表した。なお日本での発売は2021年春以降となる。新たな特徴は、トルクフルな新型の890ccエンジン、軽量CFアルミダイキャスト製の新フレーム、初採用となる独自のSPINFORGED WHEEL(スピンフォージド ホイール)技術による軽量アルミホイール、トルク感と加速感を表現したサウンドデザイン、新IMUを活用した運転操作を支援する各種制御、感覚を刺激する新ボディデザインなどだ。

2021年モデルの新たな特徴

トルクフルな890ccエンジン

新開発の890ccエンジンは狭くコンパクトな燃焼室とし、素早い燃焼で高いトルクを引き出している。主要パーツの多くを新設計、燃料供給系も一新している。燃焼改善と軽量化により、燃費の従来比9%※改善を実現。

軽量CFアルミダイキャスト製の新フレーム

初採用となる独自のSPINFORGED WHEEL技術による軽量アルミホイール

アルミ材の開発と工法の確立により“鋳造ホイールでありながら鍛造ホイールに匹敵する強度と靭性のバランス”を達成したヤマハ独自の“SPINFORGED WHEEL”技術による軽量ホイールを初めて採用。従来モデルより前後で約700g軽くなり、さらにリアの慣性モーメントが11%低減、アジャイルな運動性能に貢献。

トルク感と加速感を表現したサウンドデザイン

“排気音”“吸気音”の質が“乗り味”に寄与する重要な要素であることに着目し、排気・吸気を独自に設計・チューニングし、トルク感・加速感を演出。排気音は 1.5段膨張室サイレンサーと左右シンメトリーのテールパイプを採用することで、発進時はリアの駆動力と同期した排気音によってトルクを感じ、スロットルを開けた瞬間に音が増大して聴こえるような、スイッチ感のあるサウンドが響きわたる。

新IMUを活用した運転操作を支援する各種制御

新開発の「IMU」(Inertial Measurement Unit)を搭載。2015年モデル以降の「YZF-R1」で実績のある「IMU」の基本性能を維持しつつ、センサー構成を見直すことで50%の小型化、40%の軽量化を実現した。

感覚を刺激する新ボディデザイン

2014年の初代、2017年の2代目を受け継ぐ3代目として、大きく進化したそのポテンシャルを表現する新スタイリングを採用。エアインテークと、そこに風を導くフロントウィングのスタイリングに空気の”流れ”や音の”波”などサウンドを想起させるテーマを採用。またヘッドランプやサイレンサーなど各パーツをエンジンの中心に凝縮させて力強いトルク感を表現した。

欧州仕様「MT-09 ABS」主要仕様諸元

全長×全幅×全高 2,090mm×795mm×1,190mm
シート高 825mm
軸間距離 1,430mm
車両重量 189kg
原動機種類 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列 直列3気筒
総排気量 890cm3
内径×行程 78.0mm×62.1mm
圧縮比 11.5:1
最高出力 87.5kW(119.0PS)/10,000r/min
最大トルク 93.0N・m(9.5kgf・m)/7,000r/min
始動方式 セルフ式
燃料タンク容量 14L
燃料供給方式 フューエルインジェクション
タイヤサイズ(前/後) 120/70ZR17M/C (58W) / 180/55ZR17M/C (73W) (前後チューブレス)

(Source: yamaha)

(Photo courtesy of yamaha)