優勝の可能性は残り2戦となったポル・エスパルガロだが、今までのチェコ、オーストリアのようなすべてが噛み合ったチャンスはそう簡単に訪れないと語る。

来年のホンダ移籍前に優勝出来れば最高だが、ホンダ移籍後に結果を残せないのは恐ろしいとも語る。スズキの2人のスピードについては、バイクだけなくライダー2人の力、バイクとの相性もあるはずだとしている。

優勝にこだわっているわけではない

ポル・エスパルガロ

「チャンピオンシップが終わるまでにタカを上回りたいですね。正直なところ自分達はセカンドレースをかなり得意にしています。しかし前回はスズキとの違いは大きかったものの優勝まで1.2秒でした。改善は出来るでしょうが、前回は2台のスズキにかろうじてついて行った状況でしたので、そう簡単ではないでしょう。今はチャンピオンシップ7位でタカと接近していますから、彼を上回りたいですね。」

「そこまで優勝にこだわっているわけではありません。しかしザルコのせいで無駄にしたチェコ、そしてオーストリアでもレッドグラッグの前は大きなチャンスがありました。確かに優勝を獲得出来る状況はありましたが、いろいろな状況のせいで優勝には至っていません。しかしこういう状況があったことは心の支えです。

チェコやオーストリアのような、バイク、タイヤ、セッティングなどが噛み合った状況はそう簡単に訪れません。バレンシアでは先週もそうですが、スズキについていくだけで精一杯でした。彼らを追うだけでオーバーテイクを仕掛けることは不可能でした。

目の前に提示されたレプソルホンダというチャンスを断れなかった

レプソルに移籍する判断はシーズン開幕前の事でした。パドックにいる誰もがこのチャンスを欲しいと思うはずです。自分の場合も、このチャンスが目の前に提示された時ノーとは言えませんでした。今年を最高の形で終えるのはもちろん、来年、世界最高のライダーの隣でシーズンをスタートするのが待ちきれません。」

「しかし来年、HRCのバイクに乗って冴えない順位で走ることがあるとしたら、それが本当に恐ろしいです。まずは今年は良い形で終えること、そして来年どのような形でシーズンを迎えることができるかですね。速くバイクに慣れて結果を出していきたいと思います。」

スズキのスピードはバイクだけのものではない

「スズキのバイクが良いのは間違いないでしょう。ただ、バイクだけではなくライダーたちも素晴らしい仕事をしています。前回のレースでは2台のスズキの後ろにずっとついて走っていたわけですが、彼らはブレーキでアタックせずに非常にスイートに走っていました。」
ポル・エスパルガロ
過去の経験から言えるのはスイートなライディングだけではダメで、バイクのことをよく知っている必要があります。過去に乗っていたヤマハのバイクは高いポテンシャルがありましたが、自分のスタイルにマッチせず結果を残すことができませんでした。しかしKTMの場合は、よりライディングスタイルにマッチしていると感じます。」

「そして何よりも、バイクのパフォーマンス、ライダー、チーム、これらの総合力がー重要なんです。ダブルポディウムを獲得して、2つのチームが共に祝う姿はいかに彼らが結束しているかをよく表しているでしょう。

(Source: KTM)

(Photo courtesy of michelin)