2024年のワールドチャンピオン、ホルヘ・マルティンは、最終戦バレンシアGPでの復帰戦を14周で切り上げた。その理由は「レース前にアプリリアと話し合った上での計画的なリタイアだった」と明かしている。マルティンは日本GPで鎖骨を複雑骨折して以来の復帰。予選は17番手、土曜のスプリントではトップ10圏内を走っていたがミスでコースオフし、最後方に転落していた。
日曜の決勝では、もてぎでの接触による2回のロングラップペナルティが科されていたため、スタート直後のターン1で意図的にコース外へ逃れ、トラブル回避を選択。データ収集を終えたあと、14周目の終わりにピットへ戻りリタイアした。

ホルヘ・マルティン
「グランプリのスタートにはいろいろな戦略があるけど、実際に走り出すと何が起きるか分からない。自分は明確に避ける場所を決めて、最初から混乱を避ける選択をしました。集団の中にいる意味はなかったと思います。ザルコによってバニャイアが転倒していたように、自分も同じ目に遭いたくなかったんです。レースから外れて、ロングラップを2回消化して、バイクのことを理解するための作業に集中していました。」
「週末かなり疲れていて、痛みも強かったです。レースを最後まで走る意味はなかったと思います。チームとも話して、数周で止めるのが賢明な判断だと決めていたんです。14〜15周は走ったから、昨日よりは長く走れました。これは良いサインでしたね。ただ、疲労と痛みで、続ける意味はやっぱりなかったと思います。」
「ピットボードでチームから指示が出たあと1周だけ走りました。ファンクラブに手を振りたかったんです。バレンシアはいつもシーズンの締めくくりとして最高の雰囲気ですが、今回はガレージに戻ってみんなと祝うことができなかったのは残念っでしたね。」
「今日は方向性の違うセッティングを少し試しました。情報収集でしたが正しい方向ではないってことも分かりました。マップ(エンジンマッピング)もいじって、このバイクで何が必要なのかを理解しようとしています。少しずつ前進はしていると思います。ただ、本当に大事なのは火曜のテストです。自分はまだ100%ではありません。次にバイクに乗る2月のテストでは、優勝に必要な3〜4テンポを稼ぐために、リスクを取れる準備が整っていると思います。」
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。