バレンシアGPのレース結果だ。最終戦ポルトガルを待たずにチャンピオンシップ優勝が決まる可能性があったが、ジョアン・ミルが危なげなくレースを完走し、自身初のMotoGPタイトルを獲得した。そして、これはスズキにとって創立100周年、レース活動60周年の記念すべき年でのタイトル獲得となった。

レースは序盤にジョアン・ミルとリンスと共にタイトル争いをしてきたファビオ・クアルタラロが転倒。チームメイトのフランコ・モルビデッリが2019年型のM1でレースをリード、その後にジャック・ミラー、ポル・エスパルガロ、中上 貴晶が続くレースとなった。

フランコ・モルビデッリが安定した走行を続ける中、リンスは順位を上げ、中上 貴晶はポル・エスパルガロをオーバーテイクしようとしてフロントから転倒。今回こそはと思われた表彰台獲得を逃す結果となった。

ジョアン・ミルは前後のライダーとの差を完璧にコントロールしてペースをコントロール。ジョアン・ミルが転倒、リンスが表彰台を獲得出来ない限り自動的にタイトルが手に入る状況のため、無理をせずにクレバーな走りを続けた。

最終ラップはフランコ・モルビデッリ、ジャック・ミラーの激しいながらもクリーンなバトルが続き、フランコ・モルビデッリがシーズン3勝目優勝を達成。ジャック・ミラーはシーズン10人目の優勝ライダーの称号を逃した。

MotoGP2020バレンシアGP 決勝レース結果

1位フランコ・モルビデッリ
2位ジャック・ミラー
3位ポル・エスパルガロ
4位アレックス・リンス
5位ブラッド・ビンダー
6位ミゲル・オリヴェイラ
7位ジョアン・ミル
8位アンドレア・ドヴィツィオーゾ
9位アレイシ・エスパルガロ
10位マーべリック・ビニャーレス
11位フランセスコ・バグナイア
12位バレンティーノ・ロッシ
13位カル・クラッチロー
14位ステファン・ブラドル
15位ダニーロ・ペトルッチ
16位アレックス・マルケス
17位ティト・ラバト
18位ロレンソ・サヴァドーリ

優勝フランコ・モルビデッリ

「信じられないリズムでの走行でした。ハードフロントを選んだのはミディアムが最後まで保つかわからなかったからです。そのために今までと異なる走り方が必要で、ブレーキングで強く、ミッドコーナーで苦戦しました。何度か転倒しそうにもなりましたし。」

「最後はジャックが追いついてくると思っていました。最終ラップでなんとか彼を抑えようと思っていましたが、クリーンでスポーツマンシップに溢れるバトルでした。なんとか勝てましたけど、ジャックの走りも素晴らしかったですね。チャンピオンシップには破れましたが、素晴らしい仕事が出来たと思います。」

2位ジャック・ミラー

「最高の最終ラップのバトルで楽しかったですよ。こういうタイトなトラックですから、MotoGPバイクでこんな接戦は楽しいですね。良い仕事が出来たと思いますしペースを発揮出来ました。ポルトガルも楽しみです。そして今日はジョアン・ミル、そしてスズキを祝福したいですね。素晴らしい1年でした。」

3位ポル・エスパルガロ

「ファンタスティックなレースでした。表彰台獲得は予想していなかったので嬉しいですね。今日は中上のほうがペースが良かったので、彼がミスをしなければ危なかったですね。今日も先週同様に限界のレースで、可能な限りのペースで走行しました。シーズン5度目の表彰台獲得は嬉しいですね。」

2020年MotoGPチャンピオン ジョアン・ミル

「信じらません。ずっとMotoGPクラスでタイトルを獲得することに人生をかけてきたんです。今はいろんな感情が入り混じっていて、何も感じられません。本当に人生をかけて追ってきた目標を達成した瞬間ですから、現実味が湧きません!」