腸骨を使った自家骨移植を実施
HRCはマルク・マルケスが右腕上腕骨3度目の手術を行ったことを明らかにした。マルケスは開幕戦ヘレスが開催された7月19日に右腕上腕骨を骨折。すぐに手術をして翌週アンダルシアGPに戻ってきたが、腕の違和感を感じてレースには出場せずだった。
結果的に最初の手術で埋め込んだプレートが負荷に耐えられず破損、2度目の手術を受けていた。しかしこの2度目の手術後の回復が悪く、HRCのリリースに書かれているように偽関節※1の状態になってしまっていた。
問題なのは6ヶ月程度と予想される回復期間で、偽関節を治療するための腸骨移植が何度も出来る手術ではないことを考えると、回復期間を早めて無理に2月のテスト、そして3月の開幕戦に出場することは、マルクの選手生命にとって非常に大きなリスクとなる。6ヶ月まるまる治療を行うと考えても、2021年シーズンに復帰出来るのは来年の6月だ。
HRCのプレスリリース
マルク・マルケスは今まで受けていた体外衝撃波治療※2では右腕上腕骨の回復が遅いことから、3度目の手術を受けました。手術は右腕上腕骨の偽関節治療のためで、マドリッドにある、ルーベル・インターナシオナル病院で行われました。
手術はドクターSamuel Antuña、Ignacio Roger de Oña、Juan de Miguel、Aitor Ibarzabal、Andrea Garcia Villanuevaらのチームによって行われ、今まで腕に入っていたプレートの除去、新たなプレートの設置と腸骨を利用した自家骨移植を行いました。手術は8時間をかけて行われ、無事に終了しています。
※1 偽関節
骨の再生が止まってしまったもので、本来折れた骨同士が融合する箇所が融合せず、関節のような状態になってしまったものを指す。
※2 体外衝撃波治療
衝撃波を皮膚の上から患部に照射する治療法。海外では腱板炎、偽関節、腱付着部炎などの疼痛緩和、難治性潰瘍の治療に用いられることが多い。
(Source: HRC)
(Photo courtesy of HRC)