既存のタイヤをさらに進化させることに成功
冬季期間の集中的なプログラムにより、ミシュランはMotoGP世界選手権のタイヤをさらに改良した。
新型コロナウイルスによるパンデミックの影響はあれど、ミシュラン開発部門は、既存タイヤの良さを活かしつつ、タイヤのケーシングとコンパウンドの組み合わせを微調整し、ドルナスポーツの技術的安定性に関する要求に応えた。
2021年のタイヤはより幅広いコンディションで使用可能となり、コンスタント性が向上、ブランドが目指す「Grip made to last 最後まで続くグリップ」を実現した。
[adchord]
3月初めのカタール公式テストでは、ロサイル・インターナショナルサーキットで2連戦のスケジュールで開幕するMotoGP世界選手権に向け準備が完了しており、運営元のドルナスポーツは、州政府の支援を受け厳格な衛生対策を遵守、今シーズンは3月28日のカタールGPから開幕、翌週にドーハGPが開催される。
ロサイルインターナショナルサーキットの路面は、トラック自体が砂漠に位置し、風に吹かれた砂が頻繁に載っているため、タイヤへの攻撃性が高く、日没後の気温が低いためにグリップレベルが下がると滑りやすくなる傾向がある。しかしミシュランのMotoGPタイヤは、5.380 kmのサーキットで、新しい最速レースラップ、最短レース時間、最高速度の記録を樹立することに貢献している。
カタールGPで使用可能なタイヤ
カタールGPで使用可能なミシュランパワースリックタイヤは、フロントとリアのソフト(白のサイドウォールマーキング)、ミディアム(マーキングなし)、ハード(黄色のマーキング)となる。
なお、ソフトフロントとハードフロントは左右対称デザインながら、ミディアムフロントと3つのリアオプションはすべて左右非対称デザインであり、右コーナーの数が10と多いため、タイヤ右肩部分のコンパウンドが硬くなっている。
タイヤの割り当てもトラックの特性に合わせて調整されており、各ライダーは、フロントとリアに最大6本のソフトタイヤ、5本のミディアムタイヤ、4本のハードタイヤを使用可能だ。
[adchord]
悪天候の場合、レースコントロールによって許可された時に、ソフト(青のサイドウォールマーキング)、ミディアム(マーキングなし)のフロントとリアのミシュラン・パワーレインタイヤも利用出来る。(※リアは左右非対称)
2輪モータースポーツグループ・マネージャー:ピエロ・タラマッソ
「クレルモンフェランにいるミシュランモータースポーツチームが達成したことを誇りに思っています。彼らは困難な状況に立ち向かい、既存の技術的枠組みの中で働いてきましたが、2020年に獲得した経験を基に、2021年のMotoGPタイヤの有用性の範囲を、徹底的に見直すことに成功しています。」
「2021年シーズン前のテストプログラムでは、我々自身の開発目標を達成し、非常に有望な結果が得られています。ライダー達にはより合理化され、より広い範囲で機能を発揮するタイヤを供給出来るようになり、結果的にバイクのセットアップ作業が容易になるでしょう。」
[adchord]
「また、グリップの最大化、パフォーマンスを最大化すると同時に、昨年よりわずかに硬いコンパウンドを使用することで、タイヤパフォーマンスの一貫性を向上させています。これらの成果はカタールで開催されたシーズン前テストでも各チームから賞賛の声が挙がっていました。」
「事実、ミシュランタイヤの高いパフォーマンスによってDucatiのジャック・ミラーは1分53秒183というトラック最速タイムを記録。Pramacレーシングのヨハン・ザルコは、メインストレートで357.6km/hの最高速度を達成しています。」
(Source: michelin)
(Photo courtesy of michelin)