第5戦フランスGP初日にシャーリンが安定感を発揮 戦列復帰のバルタスは堅実なスタート
第5戦フランスGPの開催地ルマンサーキットは、週末を通じて天候が不安定なことでも有名な会場です。この週末も高い確率で降雨の可能性が予測されていますが、金曜のセッションはその予報通りのコンディションになりました。午前のフリープラクティス(FP)1回目は気温12℃・路面温度11℃という厳しいコンディション下でのウェットセッション。午後のFP2は、気温16℃・路面18℃と相変わらず低い温度条件で推移したものの、コース上の舗装は乾いてドライセッションになりました。
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雨の強さに定評のあるNTS RW Racing GPのハフィス・シャーリンは、ウェットセッションのFP1で存分にその能力を発揮しました。”Pescado”(スペイン語で魚の意)のニックネームを持つシャーリンは、まさにその愛称どおりに厳しいコンディションでも活き活きとした走りでNTSの特性を存分に発揮し、トップタイムの選手から0.968秒の僅差で10番手タイムを記録。また、今回の大会から復帰を果たしたバリー・バルタスも、手首負傷の不利を感じさせないほどのパフォーマンスを見せて25番手につけました。
ドライコンディションになった午後の走行ではシャーリンが21番手、バルタスは29番手となり、このポジションが初日の総合順位になりました。
この金曜日の走行について、チームマネージャーのヤルノ・ヤンセンは以下のように総括しました。「今年のフランスGPも、いつものルマンの例にたがわず、不安定なコンディションでセッションが推移していくことになりそうです。この厳しい条件下でも、ハフィスとバリーは揃って高い能力を発揮し、NTSの性能を引き出す走りを披露してくれたことにとても満足しています。明日も引き続き、この調子でがんばってほしいと思います。我々チームも全力でライダーたちを支え、彼らが走りやすいマシンセットアップの探求を続けます。明日の土曜は、両選手がトップ20圏内に入ることができるように全員一丸となって挑みます」
また、今回のレースウィークに先だって5月10日に行われたグランプリコミッションの会議では、NTSとMVアグスタに対してコンセッション(優遇措置)を適用することが決定されました。新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延により、Moto2クラスには2020年と2021年の2シーズンを通じて新規開発を凍結する措置が適用されていますが、今回の決定により、NTSは昨年に開発した2020年仕様のフロントフェンダーとカウル(マシン外装)の使用が認めらることになりました。また、Moto2の全陣営に対して、テストライダーによる2日間の追加プライベートテスト実施も認められたため、NTS RW Racing GPは来週にバルセロナサーキットでのテストを予定しています。
(Source: NTS)
(Photo courtesy of NTS)