バレンシアではDucatiが3台表彰台に上がり、ジョアン・ミルは4位で終わった。予選結果も申し分なく、レース後半にDucati相手にしっかりと戦える状況を期待していたファンも多いはずだが、Ducati勢のペースは落ちず、圧倒的な立ち上がりの伸び、最高速度を武器に高い安定感を誇るDucati相手に、終始苦戦を強いられた形だ。

これからのテストでは、こうしたDucatiを相手にどう戦うか、どの部分が改善出来るかといった観点からも、様々なテスト、ソリューションを試していくことが重要だと語る。
バレンシアGP 4位ジョアン・ミル「Ducatiは昨年よりも15秒は早くなっている」

Ducati相手に戦える状況ではなかった

ジョアン・ミル

「本当に残念なレースでした。練習走行やウォームアップの内容を考えてもさらに良い結果を得られると思っていたからです。フロントのグリップに問題はあったものの、Ducati相手に戦えるアドバンテージがありませんでした。不満がたまる状況です。」

「レースの中では素晴らしいペースがありましたが、Ducatiに囲まれる中でなす術がありませんでした。ペッコを抜いてもストレートで簡単に抜き返されてしまう状況でしたからね。」

「ミラーにも抜かれてしまった後は絶望的な状況でした。昨年はまだタイヤの摩耗を気にしてレース終盤には勝てる見込みがありました。しかし今年はDucatiもタイヤの温存がうまく出来ていて、レース後半でもスピードがある状況なんです。」

「自分もライディングの方法を変えてスピードを発揮することが出来ますが、現時点ではDucatiの弱点が見つかりません。この先のテストでとにかくハードに作業するしかありません。」

「Ducatiよりブレーキをハードに出来ているのかわかりませんが、問題はDucatiがそこら中にいることです。Ducatiはコーナーの立ち上がりで離れていってしまうので、その差を埋めるには他の部分でリスクを冒すしかない状況です。今日もリスクを冒して転倒するか、4位で完走する以外の選択肢はありませんでした。」
バレンシアGP 4位ジョアン・ミル「Ducatiは昨年よりも15秒は早くなっている」

Ducatiの進歩は驚くべきもの

「興味深いのは昨年同時期のバレンシアで勝利したフランコ・モルビデッリのレースタイムは、今日の自分より2秒遅かったことです。Ducatiは対象的にレースタイムを昨年よりも15秒近く短縮しており、その差を考えると驚くべき進歩を遂げています。」

「今年は優勝出来たレースがありませんでしたが、これは自分にとってだけではなく、チームにとっても大きなフラストレーションです。しかしこのプロジェクトに対する信頼は揺らいでいませんし、タイトルを獲得するには120%の力を発揮する必要があると理解しています。」

「これからのテストで重要なのはスピードを発揮することではなく、異なるソリューションを試して、少しでも多くのデータを得ることです。2人のテストライダーが素晴らしい仕事をしてくれていますし、幸いにも沢山の新しいアイテムがあります。来年に向けて改善出来る余地は沢山あると思っています。」

(Photo courtesy of michelin)