こちらもシーズン前のテストの中での動画ですが、ダニロ・ペトルッチ選手がサムブレーキについて語っています。リーン角度が大きいMotoGPバイクの場合、通常のリアブレーキだと操作が難しくなってくるというのは頷ける話です。なおDucatiではドヴィツィオーゾ選手もサムブレーキを使用していますね。

ダニロ・ペトルッチ

「今日はサムブレーキ(リアブレーキ)について解説するよ。誰もがこうしたブレーキをバイクに装着しているわけではないんだ。通常は背の高いライダーか、右コーナーでリアブレーキを操作出来ないライダーがサムブレーキを装着しているんだ。というのもリアブレーキは右側に付いてるからね。バンク角が大きいとブレーキペダルが体に近くなって、車体をリーンさせながらのリアブレーキ操作というのが出来なくなるんだ。だから自分もその他のライダーのようにサムブレーキを付けたんだよ。効き方は普通のリアブレーキと同じ。操作はこのレバー(親指で押しているもの)を押すことでブレーキが掛かるんだ。スクーターや自転車じゃないから、この左のレバーはクラッチになる。」

「基本的にはマシンがリーンしている時に使用するんだけど、自分はスロットルをオフにしてブレーキをかける時、右足はこの位置に置いているんだ。だから当然リアブレーキの操作は出来ない。ブレーキを操作するには足をかなり移動させないと行けなくて、実際のところそれは不可能なんだ。だから昨年の中頃からサムブレーキを使うようになったんだよ。多分最初にこのサムブレーキを使い始めたのはミック・ドゥーハンだと思う。彼は右足でブレーキ操作が出来なかったから、親指でブレーキを操作したんだ。実際多くのライダーがここにレバーを付けてブレーキとして使っている。自分は本当にこのサムブレーキが気にいっているんだ。この位置に(指で示す)小さいレバーを付けることも考えていたんだけど、クラッチもあるからちょっと面倒くさいんだよね。」

「このサムブレーキを良く使うサーキットは、かなりハードに走る必要があるサーキット、もしくは狭いサーキットだね。ヘレスなんかはストレートからターン1、ターン2などの右コーナーに続いていくので、サムブレーキを多用するサーキットだと言える。あとは加速のコントロールをする時にも使用はするね。バイクのリアの車高が高くなってしまってくるような時にもサムブレーキをよく使っているよ。サムブレーキはいろいろなサーキットで使えるんだけど、2つのリアブレーキをどのように使い分けるかにもよってくるね。」