アラゴン、もてぎに続く3連戦最後のレース、タイ・グランプリに臨むため、ミシュランとMotoGPライダーたちは、レースの舞台となるチャーン・インターナショナル・サーキットのあるタイ、ブリーラムに向けて移動しています。

首都バンコクから約480km、タイ北東部のイサーン地方で開催されるこのレースは、涼しいとされる時期に行われますが、平均気温は30°Cを超えるため他のMotoGP開催地で経験する涼しさとはまったく異なります。

コロナ禍での中止を経て、MotoGPがブリーラムで行われるのは2019年以来となります。タイ・グランプリは今シーズンの第17戦として開催されます。このレースはオーストラリアとマレーシアで開催されるアジア太平洋地域最後の2レースへと続くため、ロジスティックスの面では非常に過密になり、ミシュランはこれらのレース用のタイヤを船便と航空便を組み合わせて既に発送しています。

これらの長距離移動を伴うレースでは、ミシュランは温度管理されたコンテナでタイヤを輸送し、週末の走行に備えて最適な状態でサーキットに到着するように徹底しています。

1周4,554m(2.83マイル)のブリーラム・サーキットは、左コーナーが5つ、右コーナーが7つとコーナー数が均等に分かれているほか、最長で1km(3,281フィート)の2本のメインストレートがあります。10万人収容可能なこの近代的な施設はファンに素晴らしい展望を提供します。

高温とコースの高速レイアウトにより、リアタイヤには常に熱の蓄積が発生するため、それをマネージメントする特別なケーシングが必要となります。そのため、こことオーストリアのレッドブルリンクでは、シーズン中に他のコースで使用されるものとは異なる構造のリアタイヤを採用しています。

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これら2つのコースは同様の特徴を持っており、この特別な構造を用いて発生する熱を制御し、ライダーたちが必要とするパフォーマンスの安定性を確保します。ソフトおよびミディアムコンパウンドのMICHELIN Power Slickのリアタイヤは左右非対称設計とし、ハードは左右対称設計です。

一方、フロントの3種類のMICHELIN Power Slickは左右対称設計で、すべてのコンパウンドは過去のレースとこのタイのサーキットでのテストで収集されたデータをもとに採用されています。

この地域では8月下旬から10月中旬までが雨季であるため降水確率が高くなります。そのためMICHELIN Power Rainが週末に使用される可能性があります。前後ともソフトおよびミディアムコンパウンドが用意され、フロントタイヤはすべて左右対称設計で、リアのミディアムも同様ですが、リアのソフトコンパウンドタイヤは左右非対称設計で、右側をよりハードとしています。

ミシュランモータースポーツ2輪マネージャー ピエロ・タラマッソ

「ブリーラムを訪れるのはテストを含めてこれで4回目なので、供給するタイヤに必要となるデータは蓄積できています。一方で2019年の前回のレース以来、長い時間が経っているので路面のグリップレベルが変化しているのかどうかを確認するのは興味深いところです。」

「ミシュランはじめ、すべてのMotoGPライダーたちが今週末の最初のフリー走行セッションを心待ちにしていることは間違いありません」

「これまで何度も申し上げている通り、ここブリーラムは発熱性が高く、リアタイヤにとっては非常に厳しいコースです。そのため、その状況に対処するためにオーストリアでも使用する特別なケーシング構造を備えたタイヤを用意しています。」

「2018年にMotoGPがここで初開催されて以来、ブリーラムには常に大勢の観客が集まっていますし、地元のファンはとても情熱的です。今年も同じことが起こると確信していますし、とりわけ開催できなかった期間を経ているので、素晴らしいレースをお見せしてこの週末が思い出深いものになるように全力を尽くします」

(Photo courtesy of michelin)