2022年MotoGPTM世界選手権第20戦(最終戦)であるバレンシア・グランプリに臨むため、ミシュランとMotoGPライダーたちは、舞台となるスペイン、バレンシアにあるリカルド・トルモ・サーキットに向かいます。

リカルド・トルモ・サーキットは、グランプリ・カレンダーの中で唯一のスタジアム・サーキットで、そのレイアウトによって独特の雰囲気を醸し出し、コースを囲むグランドスタンドからは両方向に進むタイトな低速コーナーを見渡すことができます。通常とは異なるこの構成から、左右非対称設計のタイヤが不可欠となり、ここはフロント、リアタイヤ共にそのタイヤが使用されるレースカレンダーの中でも3つしかないサーキットのひとつとなっています。[adchord]

反時計回りの全長4km(2.49マイル)のコースは、9つの左ターンと5つの右ターン、876m(2,874フィート)のストレートが組み合わされています。このレイアウトによってタイヤは多くの時間をショルダー部分で走行することになるため、その過酷な要求に対処できなければなりません。

これを念頭にMICHELIN Power Slickは前後ともソフト、ミディアム、そしてハードコンパウンドで、すべて左右非対称設計、ザクセンリンクとフィリップ・アイランドと並んで今シーズン3度目となる全てのタイヤレンジで左右非対称設計の供給になります。バレンシアについてはタイヤの左側をよりハードなコンパウンドにして、左コーナーの多さによって増大するストレスに対処します。

一年の終わりに近づいたこの時期、11月のバレンシアでは過去のシーズンに時折見られたように雨が降ることがあります。MICHELIN Power Rainは、前後ともソフトとミディアム・コンパウンドが用意されます。リアタイヤはスリック同様、左右非対称設計で左側がよりハードになっていますが、フロントタイヤは左右対称設計です。

ミシュランモータースポーツ2輪マネージャー ピエロ・タラマッソ
「バレンシアのスタジアム風のレイアウトはそのコース特性だけでなく、私たちがここにやって来る時期が特別な意味を持っています。そして2023年シーズンはここでのレース開催時期がさらに遅くなります。つまりここスペインでは見事に晴れ渡った素晴らしい天気となることもある一方で、澄んだ空が朝の気温を非常に低くすることもあります。そのためタイヤはすぐにウォームアップでき、路面温度が上昇しても安定したグリップを提供し続けるラバーコンパウンドが選択されています」

「さらに高速セクションには左ターンが多く、バイクは左側にリーンインする回数が非常に多いため、タイヤの左ショルダーはクールダウンすることがありません。これらすべての要求を満たす左右非対称タイヤを開発する必要があり、それが私たちのエンジニアとタイヤ設計者にとっての課題のひとつとなっているのです。このレースは今シーズン最後のレースであり、チャンピオンシップを決定するものですが、レース後にはワンデーテストが予定されているため、2023年シーズン開始の合図でもあるのです」

(Photo courtesy of michelin)